確定申告における医療費控除について

平成29年8月21日(月) 掲載

医療費控除」は、生活を共にする家族が一年間(1月1日~12月31日)に病院・歯科医院・薬局などで支払った医療費の一部を確定申告することで、税金から控除してもらえる制度です。会社や勤務先などで年末に行われる年末調整では出来ない手続きなので、医療費控除を受けられる場合には、必ず確定申告が必要になります。医療費控除の申告は、過去5年間までさかのぼって申告することができます(対象の年度に、既に確定申告をされているケースなどは対象にならないなど一部制限があります)。医療費控除は、年間に支払った医療費から10万円(所得が200万円以下の場合は、所得の5%)を差し引いた残りの金額に、確定申告される方の税率分(5%~40%)が還付されます。
例えば、

《給料収入360万円で、2名の扶養のいる会社員では、年末調整後の所得税が34,800円(税率5%)で、年間の医療費が家族全員の合計が20万円ある場合》

    (20万円―10万円)×5%(税率)=5,000円が還付されます!

  =医療費控除の対象になるもの・ならないもの=

 医療費控除の対象となるものをご存じですか?意外とこの手続きをされる皆さんが誤解しているのが、「医療費」という言葉から連想して、病院や歯科医院での治療費のみが対象であると思っている点です。ちょっとした風邪や頭痛などの時、病院に行く時間がない方などはドラッグストアなどで市販薬を購入して、とりあえず服用するケースがあると思います。この市販薬なども医療費控除の対象となりますので、キチンと領収証を保管しておいてください(他の日用品と同時に購入した領収証でも、対象の市販薬に印をつけておけば大丈夫ですし、ドラッグストアなどの領収証の場合、薬名などが記載されているレシートであれば問題ありません)。また、通院の際に利用した電車代・バス代も医療費控除の対象になります(自家用車での通院時のガソリン代や駐車場代は対象外です。電車やバスが利用できない方のタクシー代は対象となります)。また、今年からセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)が始まりました。こちらは、一部ですが市販のお薬を年間1万2千円以上購入すると所得控除が受けられる制度です。どうですか?  
「あっ!そうなんだ!!」と思われた方も多いのではないでしょうか?  

 そして、生計を共にする家族の医療費の合計ですので、意外と簡単に年間10万円に手が届くのではないでしょうか?反対に、美容や健康維持のためのものは、基本的に医療費控除の対象にはなりません。審美を目的とした歯科矯正治療、人間ドック、健康診断、サプリメントなどはダメです。但し、条件次第(医師の処方箋など)で認められるものもあります。例えば、「子供が治療のためにかけるメガネ代」、「病気が見つかったときの健康診断費や人間ドック代」、「治療のためのマッサージ代」などは医療費控除の対象となります。    

詳しくは国税庁サイト
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1122.htm)で確認できます。    
該当される場合は、是非確定申告して下さい。