「8020(ハチマルニイマル)」って御存知ですか?

平成25年8月5日(月) 東愛知新聞掲載

8020(ハチマルニイマル)」って御存知ですか?
  皆様はハチマルニイマルって聞いたことはありますか?これは厚生労働省と日本歯科医師会が推奨している運動で、「80歳になっても20本以上自分の歯を保つことで、しっかりと美味しく食事をして、健康で充実した毎日を送りましょう」という取り組みです。
 
 では、なぜ80歳で20本以上の歯が必要なのでしょうか。歯は食事をするためにとても大切な器官です。 20本はしっかり噛むために最低限の本数なのです。 食事の時によく噛み砕くことによって、胃や腸への負担が少なくなりますし、さらに噛むことで、脳への刺激になり、集中力が高まって、認知症の予防にも繋がります。  
 そもそも歯は、年齢を重ねることで自然と抜けていくわけではありません。
 日本では80歳以上の平均的な残っている歯の本数は約10本以上で、自分の歯が 20本以上ある人は平成23年の調査では全体の38.3%であり、平成17年の調査結果24.1%から増加しています。(平成23年厚労省実施:歯科疾患実態調査より)
それに比べて、歯科先進国と言われるスウェーデンでは80歳で20本を実現し、アメリカやオーストラリアも20本近く歯が残っています。この違いはどこから来るのでしょうか?これらの国では、歯科医院に通うことが習慣化しています。意識の差によって自分の歯を残すことは可能なのです。
 歯を失ってしまう大きな原因は「ムシ歯」と「歯周病」です。つまり、「ムシ歯」と「歯周病」を防ぐことができれば、歯を残すことができ るのです。現在の歯科医療では、定期的な管理により、ほとんどの「ムシ歯」や「歯周病」が予防できます。また、歯が健康で口の中が清潔なら、口臭も少なくなり、人づきあいのエチケットとしても、出会った時の第一印象も良くなります。  実は、8020を達成するためには噛み合わせが大きく影響しています。
 8020を達成した方の歯並びをみると、骨格的に問題のある不正咬合は認められず、ほぼ全員が良好な噛み合わせをしていたそうです。特に反対咬合(受け口)の方は一人も認められませんでした。逆に言えば、噛み合わせのバランスが悪いと、歯磨きもやりにくく、お口の中を清潔に保つのも難しいので、「ムシ歯」や「歯周病」になるリスクが高くなり、歯を失いやすくなります。
 世界一の長寿国日本、自分の歯を大切にして、より豊かな生活のために、かかりつけの歯医者さんに相談して8020を達成しましょう!