キシリトールとは

平成25年11月4日(月) 東愛知新聞掲載
豊橋市歯科医師会 山崎 敦史

キシリトールは、白樺などの木の構成成分であるキシランを加水分解して得られたキシロースに水素添加をして作ります。
 キシリトールはむし歯予防に効果的といわれます。
 1むし歯の原因となる「酸」を全く作らせません。
 2むし歯の原因菌に栄養として利用されにくく、増殖を抑制します。
 3清涼感のある甘さが唾液分泌を増やします。
 などの作用により予防効果を発揮します。
 むし歯とは、ミュータンス菌に代表されるむし歯の原因菌が酸を産生し、歯が溶け出す現象です。
 菌は糖分などの栄養を分解して酸を作り出しますが、キシリトールでは酸が作られません。
 しかも、ミュータンス菌の体内に取り込まれると、菌自体が持っているエネルギーを放出させてしまうため、次第に菌の数が減っていくことになります。
 キシリトールを長期間(一日三回で三ヶ月)継続して摂ると、歯垢をすみかとするむし歯菌は減少、同時に活力を失っていき、歯垢が歯面からはがれやすくなることも知られています。
 上手に使えば効果的ですが多量に摂取すると、お腹がゆるくなることがあります。キシリトールは他の代用甘味料と同様に、腸内で水分を引き込む性質があり、下剤と同じような働きがあります。食事の内容や水分の摂取量、腸の長さなどにより、人によっては少量でもゆるくなる場合があります。通常はキャンディーやガムから摂取する程度の量であれば安全だと思われますが、「一度に多量(30~40g)に摂ると下痢やお腹に不快感が起こる可能性がある」とされています。
 市販のガムの中にはキシリトール100%でないものも多く、他の代用甘味料が併用されている物も多いので、歯科医院などで販売されているキシリトール100%のものをお勧めいたします。