ヘルペスとは(単純疱疹)

平成26年3月10日(月) 東愛知新聞掲載

ヘルペスとは水ぶくれが集まった状態のことをいいこれはヘルペスウィルスが引き起こす感染症です。ヘルペスウィルスにもいろいろ種類がありますがここでは単純ヘルペス(単純疱疹)についてお話しさせてもらいます。
単純ヘルペスウィルスの特徴は最初に感染(初感染)した後 免疫ができても体力の低下や外傷などの機会があれば再発を繰り返すということです。人によっては毎週のようにように出ることもあるが、数年間出ないこともあります。風邪などの病気や、海水浴やスキーなど紫外線のストレスが誘因となりやすいです。
初めて単純ヘルペスウィルスに感染しても、小児の場合明らかな症状が出るケースは多くありませんが 新生児、幼児、思春期以降では症状がでます。ヘルペスウィルスは1度感染すると人間の神経細胞の中に隠れ潜んでしまうのです。これがヘルペスウィルスの特徴である「潜伏感染」です。ウィルスが神経細胞の中でじっと潜伏している間はヘルペスの症状は出てきません。ところが 体の抵抗力が衰えているときなどに 急に出てきて暴れだすのです。
単純ヘルペスウィルスは体のどの場所にも感染し皮膚に水ぶくれを起こす皮膚病で主に顔面 特に口の周囲に出ます。最初は皮膚が赤く変化してムズ痒くなり暫くするとその部分に小さな水ぶくれができてきます。水ぶくれは数個がかたまりとなり大きくなり痛痒い状態が続きます。やがて水ぶくれが破れてかさぶたに変化して1~2週間で自然治癒します。しかし現在では特攻的な抗ヘルペス剤(飲み薬、塗り薬)があり これを用いて治療すると治癒が早まり不快な自覚症状も大幅に軽減されるので出来るだけ早期に治療を始めることが望ましいです。