手足口病

平成26年3月17日(月) 東愛知新聞掲載

手足口病は、その名前の通り口の中や、手足などに水疱性の発疹が出る、ウィルスが原因の感染症です。
 原因となるウィルスはいくつかありますが、代表的なものはコクサッキーウィルスA6、A16、エンテロウィルス71で、その他コクサッキーウィルスA10などが原因になることもあります。  
 手足口病は、主に乳幼児や10歳以下の子供がかかりやすく、感染報告数の90%前後は5歳以下の乳幼児です。しかし、最近では大人に感染するケースも増えてきており、大人に感染した場合は症状が重くなる傾向があります。  
 感染経路は感染者の鼻水や唾液などの分泌物が咳やくしゃみなどによる飛沫感染、接触感染、便の中に排泄されたウィルスが口に入って感染する糞口感染が知られています。  
 症状としては、感染してから3~5日後に口の中、手のひら、足の裏、指の間などに2~3mmの水泡性発疹が出ます。乳児の場合は、おしりや膝に出ることもあります。発熱は軽度で高熱が続くことは通常ありません。しかし希ですが、髄膜炎や脳炎など中枢神経系の合併症などが起こる場合がありますから、経過観察を行い、高熱が出る、発熱が2日以上続く、嘔吐やけいれん、意識がなくなるなどの症状が見られた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。また、口の中は水泡が破れ口内炎になると痛みが出ます。1週間くらいで治りますが、痛くて食べ辛いので刺激の少ない、のどごしのよいものを与えると良いと思います。水分も取り辛いこともあるので特に乳幼児は脱水にも気をつけてください。  
 手足口病に特効薬はなく、特別な治療方法はありません。また、手足口病の発病を予防できる薬もありません。  
 一般的な感染対策は、接触感染を予防するために日頃から流水と石鹸で手洗いをしっかりすることと、排泄物を適切に処理することです。また、タオルの共有はしないでください。  
 ちなみに、大人が手足口病に感染するのは免疫力・体力が低下している時なので、ウィルスに対抗するためには、普段から健康に留意した生活を心がけることが必要でしょう。