乳歯の下から永久歯が生えてきました。どうしたらよいでしょうか?

平成26年3月31日(月) 東愛知新聞掲載

永久歯はだいたい5歳くらいから生え始め、乳歯は本来自然とぬけていくものです。
しかし、何等かの理由(乳歯がひどい虫歯により永久歯の生えてくる位置がずれたケース 又、もともと永久歯の歯胚が正常な位置からずれていたケース)などでは、乳歯の根が長く残ることが多く自然には抜けない事が多々あります。このような時には乳歯を抜いてあげる必要があります。そのままにしておきますと永久歯の歯並びが悪くなったり、かみ合わせが悪くなったりします。1番よくあるケースでは下の前歯(乳歯)の裏から永久歯が生えてこられる事があります。基本的には永久歯の並ぶスペースがあれば、乳歯を抜歯することによって永久歯は舌圧により正しい萌出位置に動いてきます。では、スペースが無い場合はどうかといいますと、9歳ぐらいまで下顎の骨の横幅は広がってきますので必ずしも綺麗に並ばないと言う訳ではありませんので直ぐに落ち込む必要はないと思います。
次に奥歯についてご説明いたします。奥歯につきましても基本的考え方は同じです。 まず第一選択は、抜歯になります。特に奥歯については噛み合わせに強く関与いたしますので速やかな処置が必要だと思はれます。たとえば、乳歯の横から永久歯が生えてきましても 乳歯を抜歯さえすれば、唇圧と舌圧により正常な萌出位置に戻ってきますので心配はないと思います。どのようなケースにおきましても永久歯が並ぶスペースさえあれば歯並びに関しましてはそんなにご心配されることはないと思います。ただ萌出スペース(歯が正常に並ぶためのスペース)が明らかに足りなかったり、歯が回転したり斜めに生えてきたりした場合は、そのままにしておきますと、必ず歯列不正に繋がり、虫歯の多発、歯周病にも発展しかねませんので子供さんのお口の中で見つけられましたら1度かかりつけの歯科医院にて受診をお勧めいたします。