今度、ムシ歯の治療をします。つめ物の種類にはどんなものがありますか?

平成26年6月23日(月) 東愛知新聞掲載

ムシ歯を取り除いた後、基本的にそこに穴があくので何らかの方法でそこを補わなければいけません。虫歯が小さい場合にその虫歯の部分のみを削り取り、削り取った部分に詰めるもののことを詰め物といいます。 詰め物にはセラミック(陶器)で作られたものや金属で作られたものやレジン(プラスチック)で作られたものなど様々な種類があり、治療費も保険診療のものと保険外の自費診療のものがあります。

詰め物の治療において保険・自費治療の最大の違いは使用する材質です。 ここでは主に使用される材質について説明していきます。

まず保険診療で白い詰め物をする場合、コンポジットレジンという歯科用プラスチックを詰める方法があります。 コンポジットレジンは色が歯に似ているので見た目の違和感が少ないです。 さらに金属を使用しないので、金属の溶け出しによる歯や歯茎の変色、金属アレルギー等が起こりません。 しかし、プラスチック素材なので割れやすく、長年の使用でどんどん変色していきます。

次に保険診療で(銀色の)金属の詰め物をする場合によく使用されるのがインレーと呼ばれるものです。これは金属でできているためすり減りにくいです。しかし、見た目に違和感があり目立ちます。そして金属アレルギーを引き起こす可能性があります。

このように保険診療の詰め物は見た目、強度、アレルギー等の点で人によっては満足のいかないものとなる場合があります。それを補うために保険外診療ではさらに次のような種類の詰め物があります。

まず1つ目はセラミックインレーとよばれるものです。 これは、セラミック(陶器・焼き物)で出来た詰め物なので、ご自身の歯に限りなく近い色で作製されるため、歯の自然な美しさが蘇ります。また強度も優れています。治療費は、自費診療なので、やや高くなりますが、「詰めた白い部分が変色するのが絶対に嫌だ!」という方にお勧めの詰め物です。 次にハイブリットセラミックインレーとよばれるものです。これは、セラミック(焼き物)の粒子とレジン(プラスチック)を混ぜたもので作られたインレー(詰め物)です。セラミックインレーよりもやわらかく、周囲の歯にダメージを与えにくいというメリットがありますが、色調は多少劣り、経年的にコンポジットレジン充填ほどではないですが多少変色してしまいます。治療費は一般的にはセラミックインレーよりお値打ちの設定がされていることが多いです。

最後にゴールドインレーとよばれるものです。これは、金合金で作られた詰め物です。この貴金属は非常に錆びにくいため、保険の金属の問題点であった金属の溶け出しによる二次的な虫歯、歯や歯茎の変色、金属アレルギーなどが起こりづらいです。 さらに金は硬さが天然の歯と同じくらいなので周りの歯を傷つけたりする事がありません。しかし、金属を使用しているため、口を開けた時などに目立ちます。

このように詰め物にはいろいろな種類のものがあります。それぞれに特徴がありますので詰める前に十分に主治医と相談し、納得したうえで詰めてもらうことをおすすめします。