歯磨きすると血がでます。どうしたらいいですか?

平成26年8月18日(月) 東愛知新聞掲載

歯磨き時の出血は炎症によるものがほとんどで、歯肉炎、歯周病の症状のひとつです。健康な歯茎は、歯磨き後に出血が見られることはほとんどありません。 歯肉炎、歯周病の原因は歯と歯茎の境目にプラークが付着し、そこに歯周病菌が住み着き細菌の出す毒素に反応して炎症が起こっている状態です。炎症を起こし腫れた状態では、機械的刺激に弱くなり、歯磨きのわずかな刺激で出血を引き起こします。
出血するからといって歯磨きを中止すると、歯磨き不足になり、さらに炎症が進行し出血しやすい状態に陥ります。
まずは、多少の出血には目をつぶり、柔らかめの歯ブラシを使い、2週間ほどしっかりとした歯磨きを続けます。原因になっているプラークと細菌を歯ブラシで取り除けば炎症が治まり出血しなくなります。出血する箇所ほど丁寧に時間をかけてブラッシングしましょう。 ただし、強く磨くのはかえって逆効果ですので、軽く歯ブラシの毛先を使って、歯茎をマッサージするように優しく汚れを取る事が大切です。
歯並びの状態によってもプラークが残りやすい部分があり、歯肉炎や歯周病になりやすい部分もありますから、歯科医院に受診し歯磨き指導などをお受けになることをお勧めします。
徐々に腫れや痛みが少し治まってきますが、歯磨きをしっかりしてもなかなか出血が収まらないことがあります。それは歯と歯茎の境目に歯石が付着して、歯ブラシが届かない状態になっている場合です。
そんな時には歯科医院で歯石を取ってもらい歯周病治療を受けましょう。歯石を取り、歯周病治療を受けると歯茎の出血は収まりますが、ここで油断すると再び歯周病になってしまうことがあります。しっかりと歯磨きを継続して行ってください。そして、定期的に歯科医院でメインテナンスを受けるのがよいでしょう。
「別に痛みは無いし、少し出血するだけだから……」と放置してると、歯周病で歯を失ってしまい取り返しのつかないことになる場合もあります。要注意です。