ドライマウス(口腔乾燥症)の予防法

平成26年9月8日(月) 東愛知新聞掲載

ドライマウス(口腔乾燥症)は、唾液(つば)の分泌量が低下し唾液の質に異常を来し、のどが渇いたり口のなかが乾燥し、痛みや不快感が生じたりする病気で、日本だけでも、800万人程度の方が罹患されています。
 原因は、免疫疾患であるシェーグレン症候群の口の中の症状として知られていますが、本症の多くは、薬剤の副作用や、糖尿病、更年期障害、腎不全、口の周囲の筋力の低下、ストレスなど複合的な要因で発症しています。
 予防法としては、以下の4つの方法があります。
 1 .食べ物をよく噛む
 唾液は噛むことで分泌が行われます。噛む回数を増やせば、食事の時だけでなく、安静時にも唾液が増えてきます。
 酸味のある食べもので口の中を刺激するなども効果的です。
 2. 唾液を出す口の体操
 お口の体操「健口体操」をすれば、口の周りにある3つの唾液腺の刺激ができます。 唾液の分泌を促す唾液腺のマッサージは、毎日の生活の中で簡単にでき、ドライマウスの予防に効果的です。
① 耳下腺のマッサージ(耳たぶの下あたり) 人差し指から小指までの4本の指を頬に当てて、上の奥歯のあたりを回すようにマッサージします。10回くらいやりましょう。
② 舌下腺のマッサージ(舌の付け根の真下のアゴの部分) 舌の付け根の真下のアゴの部分を、顎の下方から親指で押すようにマッサージします。 5回くらいやりましょう。
③ 顎下腺のマッサージ(アゴのエラ部分から3cm内側の部分) アゴのエラ部分から3cm内側の部分耳の下から顎の下あたりを指先で押すようにします。5回くらいやりましょう。
 3. 水分補給
 身体の水分が不足していれば、当然、口の中の水分も少なくなり、乾いた状態になるので、こまめに水を飲んで水分補給をします。
 4.口で呼吸しない
 口で呼吸をすると、唾液は蒸発してしまい口が渇く原因となります。特に鼻炎などの人は口のみで呼吸をする癖があるようです。
 また、実際に、口の乾きを感じたら、口の中を湿潤させ、口の中を清潔に保つ保湿剤配合の飴やガムを噛んだり、保湿剤配合のマウスウォッシュ(デンタルリンス)を使うと効果的です。口の中を清潔に保ち、湿潤に気をつけましょう。
 また、唾液分泌を減らす副作用のある薬を飲んでいないか、最近、ストレスをためてないか確かめましょう。お酒はほどほどにする。タバコをやめる。など普段の生活習慣を見直すこともドライマウスの予防に有益です。