インプラントと義歯(入れ歯)どちらがいいの?

平成26年12月8日(月) 東愛知新聞掲載

虫歯や歯周病で歯を失った場合そのままにしておくと、顎の変形や咀嚼障害、発音障害等様々な問題を引き起こします。例えば下の歯を失った場合に放置しておくと、上の歯が伸びてきて骨の変形までも引き起こすことがあるのです。食べ難くなったり、顔が歪んできたりすることもあります。そうならないためにもインプラントや入れ歯をいれる必要があるわけです。
 治療方法として固定式にはインプラントかブリッジ、着脱式には入れ歯があります。どの方法を選択するにしても一長一短があります。インプラントの場合、外科的手術を伴うので、健康状態がまず良くなくてはなりません。全身疾患がある場合にはできないこともあります。禁忌症として血友病などの血液疾患、免疫不全症、化学療法がおこなわれている人、精神神経症などがあります。また注意する疾患としては、高血圧、糖尿病、骨粗鬆症などがあり、内科医との連携も必要になってきます。
 局所的には口腔清掃状態の悪い人や、顎の骨の幅や厚みがない人は難しい場合があります。喫煙者もリスクが高まることもわかっています。またインプラント治療は健康保険が効かず高額の治療費になるため主治医に納得のいくまで説明してもらう必要があります。
 インプラント治療は骨と一体となって固定式のため自分の歯と同じように噛める事も多く10年成功率も90%以上といわれています。しかし長持ちさせるには、メインテナンスは必要です。咬合の確認やしっかりプラークコントロールができているか、歯周病は進行していないか定期的に確認することは重要になってきます。
 一方着脱式の入れ歯は一般的には健康保険が効き、外科的処置や歯を削ることも少なく、比較的短期間で装着することが可能です。しかしながら、人によって慣れるまで時間がかかり咀嚼効率はインプラントに比較すると低くなってしまいます。食後は外して洗う必要もあり手間がかかることもあります。
 いずれにしても、かかりつけ歯科医とよく相談し治療方針を決定し納得してから治療をしてもらう事が大切です。