子供の仕上げ磨きって必要ですか?

平成26年12月22日(月) 東愛知新聞掲載

仕上げ磨きとは、子供が自分で歯を磨いた後に、大人が磨き直すことです。自分一人で歯を磨けるようになることは大切なことですが、何事も初めから完璧にできる訳ではないので、きちんと確認することが必要です。 特に正しい磨き方や、歯磨きの習慣は、成人でもきちんとできる人は多くありません。幼少時においては、尚更自分一人で磨くことは困難でしょう。

歯磨きをスタートするタイミングは乳歯が生えてくる頃です。始めの時期は、まずはハブラシに慣れることを目標にします。奥歯が生えてくる1歳6か月頃までには、歯磨き習慣ができることを目指しましょう。歯磨きが「楽しい」「気持ち良い」と感じられ、自ら進んで出来るようにすることが目的です。正しい習慣を養うためにも、まずは歯磨きを嫌がらず慣れる様にしていきましょう。小さな変化を見つけて、終わった後は褒めてあげるようにしてあげて下さい。ムシ歯は寝ている時に出来やすいので、夜はきちんと仕上げ磨きをしてあげる必要があります。

歯磨きの習慣ができた後も、仕上げ磨きは小学校低学年までは確実に行うべきです。なぜなら、小学校の間は混合歯列期と言って乳歯が永久歯に徐々に生え変わる時期ですが、その時期は抜けそうになった乳歯と生える途中の永久歯があるため、歯ブラシが細かい部分に届きにくく特に磨きづらいからです。更に、生えたばかりの永久歯は酸に対する抵抗力が弱く、乳歯は永久歯に比べてエナメル質が薄いため、ムシ歯が急に進行しやすいのです。特に、虫歯になりやすい奥歯のかみ合わせる部分や、歯と歯の間は注意して磨くべきです。そして、うがいが出来るようになったら、仕上げ磨きの後にフッ化物のペーストなどを併用すると更にムシ歯予防に効果的です。

仕上げ磨きのコツとしては、磨く順番を決めて確実に全ての歯の全ての面を網羅し、見落としがないようにします。頬や唇が邪魔をして、奥歯や歯ぐきの部分が見えづらい場合は、口を少し閉じるようにして筋肉を緩めると磨きやすくなります。小さいうちから予防して、ムシ歯になりにくい環境を作っていきましょう。