虫歯や歯周病は、こどもにうつるって本当ですか?

平成27年3月23日(月) 東愛知新聞掲載

これは本当です。 ただ正確に言えば虫歯や歯周病が直接うつるのではなく 虫歯菌や歯周病菌がうつるのです。
今回は、歯ブラシの見分け方のポイントとして3つお伝えします。

生まれたばかりの赤ちゃんのお口には、虫歯菌がいないことをご存じですか? でも、お子さんが3歳を超える頃には、ほぼ全員のお口の中に虫歯菌が存在すると言われています。では、お子さんのお口に虫歯菌はどこからやってくるのでしょう。――それは、なんとお母さんやご家族のお口からなのです。では、虫歯菌がお母さんやお父さんからうつるとして、その時期はいつなのでしょうか?虫歯菌が感染しやすい時期は、 生後1歳7ヶ月~2歳7ヶ月の間です。
その間で虫歯菌がうつる確率が高いのです。

妊娠すると、つわりがあるため食習慣が乱れ、常に何かを食べているような状態になったり、さらに気持ちが悪いためブラッシングを怠ってしまったりするなど、お母さんのお口の環境は悪化し、虫歯や歯周病になりやすくなってしまいます。

妊娠中の虫歯や歯周病を予防するためには、日頃よりも念入りなお口のケアが必要です。ブラッシングが難しいときには、軽く口をゆすぐ、お茶やお水を飲んでおくというだけでも、予防に効果があります。またつわりが落ち着く安定期に入った頃を見はからって、一度ご歯科医院を受診していただき、クリーニングを受けたり虫歯があれば治療を済ませたりして、赤ちゃんが生まれる前にお口の中の虫歯菌を減らしておきましょう。

妊娠中には、積極的にキシリトールを取り入れることがおすすめです。近年各所でキシリトールの研究が進められており、その中で、妊娠中に積極的にキシリトール入りのガムやタブレットを口にする習慣があった場合、母子感染の確率が大幅に下がったという結果も出ています。ガムやタブレットなら、妊娠中でもお手軽に取り入れられるのではないでしょうか?

赤ちゃんが生まれたら、直接的な感染の原因となる、おはしやコップの共有などはできるだけ避けられるよう、周りの大人にも協力してもらいましょう。

もちろん、お母さんのお口のケアは引き続き大切です。しかし小さい赤ちゃんのいるお母さんは、自分のお口のケアもままならないもの。そんなときにも、積極的にキシリトールをとることをおすすめします。

小さなお子さんは、自分自身でお口のケアをきちんとできるわけではありません。お子さんが虫歯になってしまうのは、大人に原因があるのです。大切なお子さんの歯を虫歯から守るために、周りの大人ができることから気をつけてあげましょう。