どんな歯ブラシを買うといいですか?

平成28年5月9日(月) 掲載

お口の中の健康管理」は、ムシ歯や歯周病にならないことは言うまでもありませんが、しっかりと噛んで美味しく食事ができて、満面の笑みで気のあった仲間たちと楽しく会話ができて、運動時もしっかり力を出せる咬み合わせなどが、全身の健康へとつながることが大切です。
 そして、その始めの一歩は何といっても「歯磨き(ブラッシング)」です。
 しかし、意外にも「歯ブラシ」の選び方を知らない方が多いようです。
 今回は、一般的な歯ブラシの選び方をお話します。
 ブラシの大きさは、上の前歯2本よりも小さめのもの、下の前歯の裏側に入りやすいものを選ぶことです。
 市販の歯ブラシは、比較的大きなものが多く、ついつい大きな歯ブラシの方が良く磨けると思いがちですが、「歯と歯の間」、「下の前歯の裏側」、「一番奥の歯」などは届きづらく、歯垢(プラーク)を磨き残してしまうことがあります。
 特に、下の奥歯の内側を磨く時、舌が歯ブラシを押し出したり、嘔吐反射が出たりすることがあったり、上の奥歯の頬側(外側)を磨くときに口を大きく開けると歯ブラシが入りにくかったりします。
 小さめのタイプの歯ブラシなら、下の奥歯の内側でも比較的楽に入り、上の奥歯の頬側(外側)も少し口を開けだけで一番奥の歯まで確実に歯ブラシを届かせることができ、歯にもしっかり当たります。
 歯ブラシの毛のかたさは、歯周病などで歯グキが腫れている場合は、かための歯ブラシを使用すると歯グキを傷めたりしますし、磨く力の強い方は、歯を擦り減らして水に凍みるようになったりします。
 まずは、やわらかめタイプの歯ブラシで、歯グキを優しくマッサージして、歯には軽く圧をかけないように磨くようにして下さい。  
 歯グキが改善され、お口の中の状態が落ち着き始めたら、やわらか目の歯ブラシから普通タイプ(中間タイプ)のものを使うことをお勧めします。 歯ブラシの毛先の形状は、色々な種類のもの(山切りカットや毛先が丸い物など)がありますが、フラットタイプ(直線的な)ものを選んで下さい
 一般的な歯ブラシの選び方を書きましたが、買われた歯ブラシが、本当にご自身のお口の状態にあっているかどうかが一番重要なポイントです。  歯科医院では、一人ひとりのお口の大きさやお口の中の状態(歯並びや舌の大きさなど)、磨く力加減、だ液の性状などを考慮して、その方に合った歯の磨き方や歯ブラシの選び方などをお教えしていますし、歯ブラシで取れない歯垢(プラーク)などは、補助的器具(糸ようじ・歯間ブラシ・ワンタフトブラシなど)もご紹介しています。
 また、ムシ歯や歯周病の治療後に、お口の中のメンテナンスで通院されている方には、どこに磨き残しがあるか、歯の治療後の管理、全身疾患との関係、生活サイクルや生活リズムなども考えながら適切なアドバイスを行っています。
 あなたが使っている歯ブラシは、あなたのお口に合っていますか?
 まずは、歯科医や歯科衛生士に相談してみてください。
 今までよりも、お口の中がスッキリするかもしれません。