歯科治療と金属アレルギーについて

平成28年11月21日(月) 掲載

最近の若い人たちは、とってもカッコイイと思いませんか?
 流行りのファッションに、髪型、ピアスや指輪などの装飾品、ネールアート、さらにエステでボディーケアなど・・・、小顔でスタイルもいいし、中にはTATOOをお洒落に入れている人まで、何でも出来て、実に羨ましい限りです。
 そんな若い人たちの親の世代からは、「親からもらった大切な体に穴をあけるなんて・・・!」とか、「下着のような格好で、みっともない!」などと、批判する向きもありますが、今の時代を生きている若者だからこそ出来ることなのだから、そんなに捲くし立てなくてもと思うのですが・・・。
 そんな彼らだってその昔、髪が長いと批判され、グループサウンズやフォーク・ニューミュージックでギターを抱えれば不良と呼ばれ、ディスコのお立ち台で扇子を片手にワンレン・ボディコンで踊っていた世代なのですから、今の若い人たちをどうのこうのと批判するって、どうかと思いますが・・・。
 それよりもきっと、自分たちが今の若い人たちと同じことが出来ない、ジレンマみたいなものだと思えてなりません。
 だって、茶髪やロン毛(ただし、髪の毛がなければできませんが・・・)も年配の方でもお洒落を楽しんでいる人たちがいるくらいですからね・・・。
 前置きが長くなってしまいましたが、今日の話題は、装飾品(宝飾品)のピアス・指輪・ネックレス・ブレスレットなどの貴金属類を地肌に付けることにより発生する金属アレルギーのお話をします。
 直接地肌に装飾品の金属が付いている部分に、湿疹や痒み、肌荒れという症状がでてきます。
 中には、装飾品が地肌に付いている位置から離れた足やお尻やお腹などに出る人もいます。
 これは加工された装飾品の金属の成分の特定な金属に、拒否反応(アレルギー反応)を起こすことから、こういった症状が現れます。
 装飾品を付けて直ぐに症状が出る人もいますし、しばらく時間が経ってから出でくる人もいます。
 また、口の中には、歯科におけるムシ歯の治療で、金属の冠や詰め物によって同様なことが起こる可能性があります。
 万が一、装飾品による金属アレルギーがある方は、歯科で治療する場合には、必ず「金属アレルギーがある」こと申し出て下さい。
 そして、どの金属にアレルギー反応が起きるのかが判っている場合は、その金属の種類も示して下さい。
 金属アレルギーの疑いがあるとか、金属の特定が出来ない場合は、歯科で通常使用されている金属に関して、パッチテスト(どの金属にアレルギー反応を起こすのかを調べる検査です)を行い、アレルギー反応を確認してから、歯の治療を行うことになります。
 通常、歯科で使われている金属は、「金」「銀」「パラジューム」「銅」「ニッケル」「白金(プラチナ)」などです。
 装飾品も付けていないのに、湿疹や痒み、肌荒れというアレルギー症状が出たり、または長年悩まされているようならば、口の中の金属が原因で症状が起こっている可能性も考えられますので、歯の治療をされたことのある方は、口の中に金属が入っていないか鏡で見て下さい。
 もし、その金属が原因で金属アレルギーを起こしている可能性があるならば、パッチテストを行って、原因金属を特定させ、万が一、それが原因ならば、直ぐに取り除いて、金属以外のもの(陶材や合成樹脂)に置き換えて、歯の治療をし直す必要があります。