定期的なメインテナンスについて

平成28年11月28日(月) 掲載

治療が終わった後に、歯科医師や歯科衛生士から、「これからは、○ヶ月に一度メインテナンスに通ってくださいね!」と言われたことはありませんか?  
 「もうこれでしばらく歯科医院に通わなくてもすむ」とよろこんでいたのに、「また?なぜ?」と思う方もおられるのではないでしょうか?  
 とはいえ、治療が終わって、快適になったお口の中を、折角ならできるだけ長くよりよい状態で保ちたいと願っておられる方が多いはずですし、再び同じようなトラブルがほかの場所に起こってしまうことも望んではいないはずです。
 歯科におけるお口の中のメインテナンスは、そんな皆様の願いにこたえるために考えられたお口の健康を守るためのケアシステムです。
 まず考えていただきたいのは、なぜムシ歯や歯周病の治療が必要になってしまったのだろうということです。
 それはやはり、病気になってしまうようなリスクが口の中にあったからです。
 そのためには、これからもお口の病気に罹るリスクを根本的に減らしていく必要があります。
 治療後に、歯科医院に来院する前と同じことを繰り返すと、折角治療したところがまた同じようにムシ歯になったり、歯周病が再発するケ-スは大変多いのです。
 ムシ歯はムシ歯菌が食べカスを食べて出す酸によって歯を溶かしてしまうことから起こります。
 酸による被害を少なくするには、まずムシ歯菌を減らすこと、食習慣など他にも注意するべきポイントはいくつもありますが、ムシ歯菌を減らすことによってムシ歯になるリスクはグッと減ります。
 歯周病は、歯と歯グキのすき間に入り込んだ歯周病菌が炎症を起こすことから始まります。
 歯と歯グキのすき間部分への掃除はとても難しく、歯周病菌の病巣であるプラ-クや歯石はいったん歯に付くと硬くこびりついて歯ブラシではとれません。
 これらをプロのワザで取り除き、歯周病菌を減らすことで歯周病の進行を食い止める方法なのです。
 現在の歯科医療では、ムシ歯や歯周病の原因が解明され、どうすれば病気にならずにすむのか、その予防法がしっかりと確立されています。
 お口の環境を改善して、原因である細菌を減らすことは、たいへん効果の高い方法です。
 メインテナンスでは、毎日の歯ブラシだけでは磨き残ってしまうしつこいムシ歯菌や歯周病菌の原因である歯垢(プラーク)や歯石・歯の汚れなどを、プロの技でしっかりと取り除いて減らします。
 そして、病気のリスクを減らすことができるのです。
 これを何ヶ月かごとに定期的に行い、リスク管理をすることでトラブルの起こりにくいお口を長く維持することができます。
 「毎日歯みがきしていたのにトラブルが起きてしまった!」  
 「つぎつぎにムシ歯になってしまう。私の歯は弱いのだろうか?」 と悩んでおられる方、是非治療終了後もプロによるメインテナンスをぜひ受けてください。
 定期的に、プラ-クコントロールを確認したり、歯についた歯石をとったり、歯のクリ -ニングで汚れを落としていってお口の環境がさらによくなれば、歯の病気が起こる頻度 はグッと少なくなるはずです。
 お口の中のメインテナンスは、皆様一人ひとりに合ったホ-ムケアの方法や間食のとり方など、日常生活のなかで役に立つアドバイスも行っています。
 歯に自信のない方は、治療の連鎖を断ち切るために、自信のある方はいつまでも健康な歯でいていただくためにも、お口の中のメインテナンスを役立ていただきたいと思います。