差し歯と歯グキの間が黒いのですが、ムシ歯ですか?

平成28年12月19日(月) 掲載

差し歯と歯グキの間が黒くなっている原因として考えられるものは、「ムシ歯で色が黒くなっている」、「黒い歯石がついている」、「差し歯の被せ物の金属が見えている」の3つが考えられます。
 まず、「ムシ歯で色が黒くなっている」場合ですが、「黒くなっている歯は、痛くないからムシ歯ではない!」と思いがちですが、実は、痛みがないムシ歯は以外に多いです。
 差し歯になっている歯は、神経がないので、痛みを感じることはありません。
 普通、神経のあるムシ歯は、最初はじわじわ進行して、痛みを感じることはありませんが、その内に水が凍みるようになり、ムシ歯の穴が開き始め、噛むと痛みを覚え、何もしなくても痛いという状態になった時は、ムシ歯もエナメル質・象牙質を通り越して、神経(歯髄)まで進行しています。
 歯の痛みを取るためには、神経を取らなければいけない状況になります。
 ムシ歯を放置しておいても、自然治癒することがありません。
 当然のことながら、歯科医院で治療することになります。
 2つめに考えられるのは、「黒い歯石がついている」場合です。
 毎日歯を磨いていても、磨き残しがあると、細菌が食べ物のカスを栄養分として細菌の塊(プラーク)を形成します。
 その細菌の死骸や唾液の中のカルシウムがこびりついたものが歯石です。 プラークと歯石は、歯周病の主な原因です。
 歯石は、どんなに頑張っても歯ブラシでは取り除くことが出来ません。
 もし、差し歯と歯グキの間に黒い歯石が原因ならば、歯科医院で専用の器械を使えば簡単に取ることが出来ます。
 最後に考えられるのは、「差し歯の被せ物の金属が見えている」場合です。
 一般的に差し歯(冠)を作るときには、歯を土台として、そこに金属で裏打ちされた白い材質の材料(陶器=セラミックや合成樹脂=レジン)が盛られて、被せ物が完成します。
 特に、神経を取った歯の土台や被せ物の金属に含まれている銀が酸化して黒くなり、さらに歯グキが痩せてきたときに、差し歯と歯グキの間が黒く見えることがあります。
 治療方法としては、今の差し歯をやり変えて、新しく被せ直しするか、土台や被せ物に使用されている金属を使わずに、全てをセラミックや合成樹脂等に置き換える(メタルフリー)ことです。
 被せ物や土台などに金属が使われていない差し歯に変えることで、歯の色は黒さが無くなってきます。
 また、金属の銀イオンが歯グキを黒く変色させている場合もあります。
 この場合は、歯科用レーザーを用いて黒い色素を取り除く処置をすることである程度は改善できます。
 いずれにせよ、まずは原因を突き止めるために、お近くの歯科医院で相談してみてください。