歯科衛生士がサポートする「一生自分の歯で噛める人生」
その1

平成29年7月3日(月) 掲載

豊橋市歯科医師会は会立の豊橋歯科衛生士専門学校を運営しています。昭和57年の開校なので今年で35年の歴史があります。まだ歯科衛生士という職業が今ほど一般的でない当時、なぜ豊橋市歯科医師会が困難を承知で歯科衛生士専門学校の創設に情熱を傾けたのでしょうか。
 歯科衛生士という職業は知っていてもその仕事内容はよくわからないと時に言われます。今週から3週にわたり歯科衛生士が皆様の生活にどのように関わっているか、そして今後どのくらい重要な職業になって行くか、についてのお話をしたいと思います。当時の豊橋市歯科医師会が先見の明を持って、歯科衛生士専門学校の創設を決断した理由がご理解いただけるものと思います。 歯科衛生士の業務は次の4つに分類されます。
1. お口の中の疾病の予防処置
歯周病や虫歯を予防するため、歯石を取り除いたりフッ素塗布などの処置を行います。
2. 歯科診療補助
歯科医師が行う医療行為の一部を法的に認められる範囲で代行することです。具体的には歯の型を採ったり、歯に詰め物をして研磨する等があります。
3. 歯科診療介助
診療のアシスタントで、器具の準備や後片付け、受付・窓口業務なども含みます。
4.歯科保健指導
お口の中の健康維持のための歯磨き指導、生活習慣指導などを行います。要介護者のために訪問指導なども行う場合もあります。
 歯科衛生士になるためには養成課程のある専門学校・短大(3年制)や大学(4年制)を卒業後に国家試験に合格しなければなりません。東三河では豊橋歯科衛生士専門学校が35年前の開校以来唯一の教育機関でしたが、今年の4月に豊橋にもう一つ私立の専門学校が開校しましたので、東三河在住の皆様にとっては歯科衛生士のサービスを受けるチャンスが一層拡大するものと思っています。
 豊橋歯科衛生士専門学校では7月20日、7月27日、8月24日にオープンキャンパスを開催します。歯科衛生士という職業の詳細がわかると思いますので、ご興味がある方は是非ご参加ください。在校生から直接話を聞くこともできます。
 それでは「8020(ハチマルニイマル)運動」を一例に歯科衛生士の重要性をご説明しましょう。平成元年から始まった80歳で20本の歯を残そうというこのキャンペーンですが、発足当初の達成率は7%ほどだったそうです。しかし厚生労働省が6年に1度行う「歯科疾患実態調査」の平成23年度の結果では約38%の人が達成していて、平成29年度に予定されている同調査では50%超えも予測されます。これには歯科衛生士の活躍が大きく寄与しているものと思われます。その理由は次週明らかにいたします。