「糖尿病」と「歯周病」の深い深い関係

平成29年12月4日(月) 掲載

糖尿病」というのは、やっかいな病気です。
 痛くもなく、痒くもなく、知らない間に「糖尿病」になっているということもめずらしくありません。
 そのくせ、一度慢性化すると、それからの人生で、ずっと付き合っていかざるを得なくなります。
 「歯周病」も、歯の周りの歯グキなどの組織に細菌が感染して起こる慢性的な感染症です。
 「歯周病」は「糖尿病」の合併症の一つで、実際「糖尿病」の人は、そうでない人に比べて「歯周病」にかかっている人が多いことが判っています。
 「糖尿病になると炎症を起こしやすいから気をつけて!」と、お医者さんから聞いたことはありませんか?
 血糖値のコントロ-ルが上手くできていないと、免疫細胞の働きが低下してしまうため、感染への抵抗力が低くなってしまいます。
 つまり、「歯周病」も細菌感染によって起こる病気なので、「糖尿病」の方は「歯周病」にかかりやすく、炎症が広がりやすく、しかも治りにくくなります。  
 そして最近になって「糖尿病」と「歯周病」には、更に深い関係があることが徐々に判ってきました。「歯周病」になると「糖尿病」も悪くなるというのです。
 実際に「糖尿病の方が歯周病の治療をしたら、血糖値が下がった」、「HbA1cの値が下がった」という嬉しい結果が報告されています。
 歯周病菌は、炎症の起きた歯グキから血管の中に入り込み、血液の流れに乗って全身を巡り、私たちのからだに悪さをしているのではないかと考えられています。
 「歯周病」が私たちの健康を損ねるばかりか、命にかかわる全身疾患を悪化させているとしたらとても怖いものです。
 歯周病の治療と予防は、家庭でのケア(ブラッシングと正しい生活習慣)が、大きくか関わります。歯科医院で定期的に検査を受けた上で、できるだけ早い内に治療を行い、定期なメンテナンスを続けることが大切です。