睡眠時無呼吸症候群

平成30年4月16日(月) 掲載

眠っている時にいびきがひどい。
 昼間眠くて仕方がないといった症状はありませんか?
 それは睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)かもしれません。
 これは睡眠時に十秒以上続く気流(呼吸)の停止が頻繁にみられ、無呼吸となる病気です。
 睡眠時無呼吸症候群の治療には耳鼻科、呼吸器科、歯科等が関わります。
 睡眠時無呼吸症候群の症状には、先に挙げたものの他に、寝ているときに激しく手足を動かす、夜トイレに行く回数が多い、早朝の頭痛、意欲の低下、不眠、性機能の低下といったものがあります。
 さらに肥満、高血圧、不整脈、心不全、発育成長障害とも関係すると言われています。
 原因は空気が通る鼻から肺に至る経路(鼻腔、軟口蓋、扁桃、舌根、上気道の一部など)のどこかがつまってしまって呼吸困難になる場合がほとんどです。
 例えば鼻腔においては、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、鼻中隔彎曲症による鼻づまりが原因でいびきや無呼吸が生じる場合があります。
 また、口の中の形態的異常や扁桃腺の肥大により、空気の通りが悪い場合、睡眠時の舌が後方への落ち込むことにより、空気の通り道が狭くなっている場合などがあります。
 さらに、肥満により症状が悪化したり、神経系の病気が関係することもあります。
 大人だけでなく子どもでもみられます。
 診断には通常の耳鼻科的診察、レントゲン撮影、CT、MRI検査などに加え、終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)という検査を行います。
 これにより睡眠時の睡眠深度、呼吸状態、循環機能、いびきの様子、体動、姿勢などを計測します。
 7時間の睡眠中に無呼吸(十秒以上続く気流[呼吸]停止)が三十回以上、または睡眠1時間あたりの無呼吸数が五回以上認められた場合、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
 治療方法としては、肥満に対する減量、睡眠時の体位指導、薬といった内科的治療の他、睡眠時において鼻に呼吸を助けるマスクを付ける方法、歯科においてマウスピースを作成し、就寝時の装着により顎(あご)や舌の位置を調整して、空気の通り道を確保する方法などがあります。
 さらに外科的な手術により、口の奥から喉にかけての形態を整える場合もあります。  
 睡眠時無呼吸症候群は、ご自身で自覚されるよりは、ご家族やご友人の方から指摘されることが多いかと思います。
 思いあたる症状のある方は、この治療に関係する耳鼻科・呼吸器科・歯科などにご相談されることをお勧めします。