知覚過敏症について

平成31年2月25日(月) 掲載

虫歯がないのに冷たいものがしみたり、歯ブラシが当たるとチカッと痛むということはありませんか。これは、「知覚過敏症」の可能性があります。  
 正式には「象牙質知覚過敏症」といいます。つまり、何らかの原因でエナメル質やセメント質が削れて知覚のある(痛みを感じる)象牙質が露出しているという状態です。神経(歯髄)をとった歯では知覚過敏症はおきません。特徴的なのは、「キーン」という鋭い痛みがあり、さらにその痛みは一時的で冷たい飲食物や摩擦などの外来刺激で誘発されます。症状があったら、どの歯かをまず自分でよく調べてみてください。
 次に知覚過敏症をおこす原因ですが、次のようなものが考えられます。第一に誤ったブラッシングによるもの。硬い毛先の歯ブラシで歯磨剤を多量につけて横磨きをすると歯の根元がクサビ状に削れてきます。象牙質に近づいたり露出するとその歯が痛むようになります。第二に歯周病がある場合です。歯茎が下がり歯の根元が出てきて歯根面が露出すると症状が現れ始めます。第三に歯ぎしりや咬み合わせが原因の時もあります。エナメル質がすり減って象牙質が出てくる場合です。この他に歯科治療(神経のある歯を削った後や歯石除去後)や穴があいてないようなかくれた虫歯の場合も起きることがあります。
 まず、対処法として誤ったブラッシング方法を改めます。普通の硬さの毛先のブラシに変えて歯磨剤を少量にします。力強い乱暴な横磨きもよくありません。正しいブラッシングは、かかりつけ歯科医で教えてもらってください。また、水がしみるとか歯の症状がある場合は知覚過敏用の歯磨き粉(シュミテクトなど)を使用してみることもいいでしょう。あまり良くならなかったり、ひどくなってきたら歯科医院で治療を受けることを勧めます。
 実際の治療方法ですが、フッ化物などの薬剤の塗布や歯科材料(レジンやセメントなど)による痛みのある歯の部分の保護、レーザー治療など各医院でいろいろと対応してくれると思います。相談してみてください。