子供の前歯がぶつかった時に抜けてしまいました。対処法は?

令和1年5月27日(月) 掲載

1)はじめに
 子供が遊んでいたり、自転車の乗っていて転んでしまったり、ボールがぶつかったり、生活しているとさまざまなトラブルに遭遇することがありますね。こういった場合、前歯は強い衝撃を受け歯がぬけてしまうことがあります。今回はその対処法について説明します。
 2)歯の「脱臼」について
 歯が抜けてしまうことを「脱臼」と言います。「脱臼」には、歯が揺れる・位置がずれる「亜脱臼」と、完全に抜けてしまう「完全脱臼」に分けることができます。「完全脱臼」は、抜けて数日経過してしまうと元に戻すことはできませんが、抜けた直後であれば元に戻すことができる可能性があります。
 3)対処法について
 歯が「脱臼」した場合、速やかに歯科医院を受診し、整復・固定して、その後は強い刺激を避けると共に、患部を清潔に保つことが大切です。
 歯が抜けてしまう「完全脱臼」の際に気をつけなければならないことは「抜けた歯の保存法」です。外傷により脱臼してしまった歯の根の周りには「歯根膜」と言われる膜が残っています。この膜が残っていることで歯は元通りになる可能性があります。何とかきれいにしようと思い、水道水で洗い流してしまうと、浸透圧の関係により「歯根膜」は死んでしまいます。 では、抜けてしまった歯をどうやって歯医医院に持っていくかですが、乾燥させてしまっても「歯根膜」は死んでしまいます。「お口の中に入れたまま病院に行く」「牛乳に入れていく」「コンタクトの保存液に入れていく」などして受診して下さい。治療後は、歯の神経が炎症を起こすこともあるので、極端に熱いもの、冷たいものを避け、その周囲を使わないように注意する必要があります。1か月程で固定を外すことができるほどに回復しますが、強い衝撃を受けた場合、歯の神経が死んでしまう可能性があるため、定期的に検診を受けることが必要です。
 以上、簡単ですが子供の前歯がぶつかった時に抜けてしまった場合の対処法について記しました。不明な点などはかかりつけの歯科医院にお問い合わせください。