インプラントの治療期間は?誰にでもできるの?

令和1年8月5日(月) 掲載

インプラント治療は、顎(あご)の骨の中に人工の歯根であるインプラント体を埋め、それを土台にして人工の歯を付け、元通りの状態に回復させる治療法です。
 必然的に、外科手術が必要になります。
 顎(あご)の骨に埋められた人工の歯根(インプラント体)が、骨と結合することで安定します。
 結合するには一定の条件と期間が必要になります。
 個人差はありますが、大体3ヶ月~10ヶ月程度です。 一般的に、顎(あご)の骨に問題がなく、歯周病などの歯科的な疾患が軽度の方では、インプラントを埋入して、骨と結合するのに、上の顎(あご)では6ヶ月、下の顎(あご)では3ヶ月位かかります。
 2次手術で結合したのかどうかを確認しますので、基本的にインプラントの手術は2回法が用いられます。
 インプラント体が骨と結合するまでは、日常生活に支障のないように対応します。
 逆に、顎(あご)の骨が薄かったり、十分な厚みがないような場合には、インプラント体を埋め込むことが出来ません。
 骨を他の場所から移植したり、人工骨を用いて条件を整えなければなりません。
 上顎(あご)奥歯付近では上顎洞という空洞があり、サイナスリフトという方法を使って、そこに骨移植をする方法なども用いられますので、そういった場合には、さらに治療期間が必要となります。
 また、身体的に疾病の持病を持っている方や、重度の歯周病のある方には、インプラント治療ができないことがあります。
 他にも、特定の全身疾患のある方(重度糖尿病、女性ホルモン療法を受けている方)、噛み合わせに問題がある方(歯ぎしりなど)、歯が抜けてから長時間放置していた場合、18歳以下の若年者、喫煙者、治療後の定期的なメンテナンスが受けられない状況の方、重篤な骨疾患を持った方(骨粗そう症などの特定な薬剤を処方されている方)などは、インプラント治療を受ける前に、主治医に相談をかけたり、歯周病などの歯科疾患を優先して治療をしてから、インプラント治療が可能かどうかをかかりつけの歯科医とよく話し合った(相談した)上で、判断することになります。
 インプラント治療を受ける際には、こうした配慮が必要となります。
 また、抜歯を前提にインプラント治療を受ける際に、お口の中の条件さえ良ければ、「抜歯即時インプラント」や、インプラントの埋め込み手術後すぐ仮の歯を入れる「即日負荷インプラント」など、短期間で治療する方法もあります。
 インプラント治療は、治療を受けられる患者さんの状態によって大きく左右します。
 場合によってはインプラント治療に適さないこともあります。
 インプラント治療は、保険適応外です。 高額な医療費がかかりますので、かかりつけの歯科医とよく相談の上で、より良い状況で対応していただきたいと思います。