歯科医院における医療安全確保について

令和1年9月23日(月) 掲載

歯科医院における医療の安全管理には、主に院内感染対策、医薬品医療機器の安全な管理、ヒヤリ・ハット事例(事故には至らなかったもののヒヤリとした、ハッとした事例)、そして医療事故の評価分析と見直しなどがあります。
 その目的は、患者さんが安心して、良質で安全な歯科医療を受けていただけるようにするためです。
 安全な医療の提供は、医療の基本となるものです。
 各歯科医院では、歯科医師だけでなく、歯科医療の携わる歯科衛生士、歯科助手、歯科技工士それぞれが医療チームの一員として、医療安全の必要性、重要性を認識して、安全な医療をおこなうために、医療安全管理マニュアルを基に日々の診療に努めています。  
 そして定期的に、医療事故、医薬品・医療機器の安全使用、院内感染防止などの研修が行われています。
 具体的には、医薬品・医療機器の使用法と保守点検、副作用や不具合が生じた場合の報告と対応法などです。
 感染防止対策については、標準予防策(スタンダ-ド・プレコーション)という考え方が取り入れられています。
 全ての治療に感染の可能性があるとして対応することで、患者さんや医療従事者を感染の危険から守るための対策です。
 医療安全に関わる内容は多岐にわたり、上記以外にも研修内容は沢山ありますが、紙面の都合上、全てをお話することができませんので、医療事故防止のための「ヒヤリ・ハット」事例への対応についてご紹介します。
 事故防止対策の代表的な考え方に「ハインリッヒの法則」というものがあり ます。 これは、一件の大きな事故の裏には、29件の軽微な事故、そして300件の「ヒ ヤリ・ハット」事例があるとされる経験則です。
 大切なのは、事故防止のためには、事故の発生が予測された「ヒヤリ・ハット」の段階で対処していくことが必要であると説いている点です。
 そこで、「ヒヤリ・ハット」事例発生の原因、リスクレベルを分析して、改善策を共有することで、再発防止に努めることです。
 以上、簡単ですが歯科医院における医療安全確保について述べさせていただきました。
 我々歯科医師は、来院される患者さんに安心して、安全に歯科医療(治療)を受けていただくために、こうした医療安全面にも時間を費やして研鑽しています。
 不明な点などございましたら、かかりつけの歯科医院でお問い合わせ下さい。