乳幼児期とムシ歯菌について

令和1年10月28日(月) 掲載

今回は、乳幼児期におけるムシ歯菌の関係についてお話しします。
 通常、ムシ歯は歯の表面に付着した細菌が、砂糖などの糖質を基に酸が発生して、歯を溶かすことでムシ歯になります。
 そのムシ歯の原因菌であるミュータンス菌は、生まれてすぐの赤ちゃんのお口の中には生息していません。
 ミュータンス菌は、歯のような固いものにしか生息できないからであると言われています。
 しかし、生後6カ月頃になると歯が生え始め、1歳7カ月から2歳10カ月頃ごろまでに次々と歯が生えてきてムシ歯菌の棲み家が増えてきます。
 この時期にムシ歯菌が増えてくるため、「感染の窓」と言われ、注意が必要な時期と言われています。
 その感染経路としては、大人から感染しており、
 1)スプーンの共有
 2)過度なスキンシップ(キス)
 3)噛み与え
 4)フーフー冷まし(温かい食べ物をフーフーしてから与えること)
 などがあります。
 しかし、どんなに注意していても生活の中でいつの間にかムシ歯菌に感染してしまう場合があります。
 また、ムシ歯菌の感染時期が早期であるほど、その後ムシ歯ができやすく、大人のお口の中にムシ歯菌が多ければ、子どもはムシ歯菌に感染しやすくなり、ムシ歯になりやすいとも言われています。
 そこで、子どもへの感染を予防するために、
 1)子どもに歯磨きの習慣をつけましょう。
 2)両親、同居の家族のお口の中の細菌(ムシ歯菌)を減らすために、しっかりと歯磨きをすることや歯科医院での「歯のクリーニング」をお勧めします。
 3)間食に、砂糖を多く含んだ甘い食べ物を摂食する習慣をつけないようにしましょう。
 4)定期的に歯科医院に受診して、フッ素塗布や予防処置を受けましょう。