ストレスと歯の関係 ~くいしばりとマウスガード~

令和2年1月20日(月) 掲載

ストレスが歯に与える影響として代表的なものに「歯ぎしり」と「くいしばり」があります。
 「歯ぎしり」も「くいしばり」も、決して特異なことではありません。
 誰でもしている一種の「くせ」みたいなもので、それどころかストレスを和らげるために必要な生理的な運動でもあります。
 特に問題がない限り、そのままにしていても構いませんが、時として問題を起こすことがあります。
 歯に対しては、歯の磨耗(まもう=歯が擦り減ってしまうこと)・歯の破折(折れること)・歯がしみる・噛むと痛いなどがあります。
 歯周組織(歯グキ)に対しては、歯肉炎や歯周炎(歯槽のうろう)、顎関節(がくかんせつ)への障害として、顎関節痛や開口障害(口が開づらくなったり、開かなくなったり、そして、全身への障害として、顔面痛・頭痛・肩こり・腰痛・倦怠感などは起こります。
 これらの症状が全て「歯ぎしり」や「くいしばり」から来る訳ではありませんが、無用な「悪いくせ」は、なくす方が得策です。
 「歯ぎしり」や「くいしばり」は眠っている無意識の時とか、何かに夢中になっている時などに起こるので気づきにくく、治すのも同じ理由で治りにくいものです。
 しかし、本気になって治す気になれば意外とよい結果が期待できます。
 ご自身だけでも治すことができるかもしれませんので、早速実行してみて下さい。
 まずは、日中の『気づき』から始めます。
 仕事等に夢中になっている時、ふと気がつくと、しっかり噛みしめていたり、舌を吸いつけていたりすることはありませんか?
 そんな時、肩を上下させ、首から上の力を思い切り抜いて、頬の力を抜き、歯をかみ合わせないようにしてから、そのまま再び仕事に向かってください。
 問題は夜眠っている時です。
 眠っている時は、コントロールがきかないと思っている人が多いと思いますが、「いつもより早起きしなければならない」時などは、寝る前に「何時に起きよう!」と自分にいい聞かせて就寝すると、目覚まし時計がなる前に目が覚めることがよくあります。
 このように潜在意識に働きかけることが有効です。
 「歯ぎしり」は歯や顎(あご)に悪いからやめなければならないと常日頃から意識して上下の歯を合わせないようにリラックスして眠るようにしてください。  
 余りよい効果が得られなければ、かかりつけもしくはお近くの歯科医院を受診してください。
 歯科で最もよく行なわれている歯ぎしりの治療法は『マウスピース』です。
 これは歯を守るというだけではなく、装着することにより安心感が生まれ、 ストレスを軽減させます。
 働き盛りの年代の皆さん!
 お口の中からストレスが緩和できることを忘れないで下さい。