デンタルフロスのすすめ

令和2年2月17日(月) 掲載

ムシ歯や歯周病は「歯と歯の間」からはじまることが多い病気です。
 ムシ歯の場合は、歯ブラシが届きやすいところには、ムシ歯ができることはありませんが、奥歯や「歯と歯の間」などの歯ブラシが届きにくいところは、ムシ歯の発生率が高くなりますし、大人より子供にムシ歯が多いのも、大人の方が歯の磨き方が上手だからです。
 また、歯周病の初期は、「歯と歯の間」に歯垢(プラーク)が付着して、「歯と歯の間」に歯グキの腫(は)れや出血することから歯肉炎は発生することから始まります。
 歯肉炎が進行すると歯周炎(歯槽のうろう)に移行して、歯と歯グキのすき間(歯周ポケット)が深くなり、歯を支えている歯槽骨が溶けだし、歯と歯槽骨を接着させている歯根膜が崩壊して、歯が動揺してきます。
 ムシ歯も歯周病も、「歯と歯の間」のプラークコントロール(清掃)が、できるか否かによると言っても過言ではありません。
 しかし、歯ブラシの形や大きさは既成のものなので、人それぞれの口や歯並びに合っている訳ではありませんし、すべての「歯と歯の間」を磨けるわけではありません。
 そこで、「歯と歯の間」が最も効果的に歯垢や汚れを落とせるのものが「デンタルフロス」です。  
 デンタルフロスは、200~300本の極細のナイロン繊維を束ねてできた特殊な糸で、歯ブラシが届きづらく、磨きの残しの多い「歯と歯の間」の狭い場所に入れて、歯の表面に付いた(歯垢)プラークを、簡単に取り除くことが出来ます。 
 デンタルフロスの使い方は、30センチ~40センチの長さに切り、左右の中指に2~3回まいて固定し、歯の上から「歯と歯の間」に左右に動かしながら挿入し、歯に沿って歯グキの近くから歯の上部に動かすだけで、効率よく歯を綺麗にすることが出来ます。
 取り出す時は、そのまま上に引き上げるか、片方を指に固定した方を離して引き抜けば簡単に解くことができます。
 ちょっとお洒落なレストランなどには、爪楊枝の代りにホルダータイプの使い捨てのデンタルフロスが置いてある処もあります。
 歯と歯の間は通常0,05ミリ前後のすき間があります。
 この間に糸を入れやすくするために、デンタルフロスにワックスが塗ってあるものや、歯みがき剤と同じようにミントやオレンジ・イチゴなどの爽快な味や香りを付けたものもあります。
 デンタルフロスを使った時に、歯石が付いていたりムシ歯で歯に穴があいていたりすると、デンタルフロスの細かい繊維が引っかかり、切れたりすることがあり、歯石の付着やムシ歯の発見などのセルフチェックもできますし、歯が重なり合っていたりや八重歯の方などには、有効な清掃道具です。
 また、歯に食べ物が引っかかり爪楊枝を使うことが多い方には、歯や歯グキに優しいアイテムです。