こどものムシ歯の特徴は?

令和2年3月9日(月) 掲載

嫌がるお子さんを歯医者に連れて行くのは、親としても辛いものです。保護者の方々が、ムシ歯だと気付かれた時には、既にかなり進行してしまった状態になっていることが多く、また保育園・幼稚園や学校の歯科健診などで見つかるムシ歯も、ある程度進行したものが多いのです。
 つまりこどものムシ歯は、皆様が思っているよりもはるかに判りにくく、早く進行してしまうのです。
 こどものムシ歯の特徴には、
①ムシ歯が白い色のまま進行します。 白い色のままで、神経までムシ歯が到達してしまうこともあります。
②ムシ歯の進行がとても早いです。 口の中の環境によっては、3ヶ月もあればムシ歯が神経まで到達してしまいます。
③ムシ歯になっても痛がりません。 お子さんが「痛い!」と言われたときには、ムシ歯はすでに歯の根の周囲の骨まで及んでしまった状態なのです。  よって保護者の方々の判断で「ムシ歯は無いだろう!」ではなく、「ムシ歯があるかもしれないから歯医者で診てもらおう!!」という意識を持っていただいて、お子さんがムシ歯で辛い思いをされないようにしたいものです。
 ムシ歯のでき方には以下の躾と生活習慣が大きく関わっています。
・おやつを、時間を決めて与えていない
・ご飯の途中で席を立たせず、終わりまで座って食べさせていない
・お子さんが嫌がると、保護者が歯を磨かずに寝かせてしまう
 つまり、けじめを付けておやつを食べている子は、ご飯もお腹が空いた状態でしっかりと集中して食べられます。ご飯は成長の基盤ですので、おやつでお腹が常に満たされている子が健康的でいることはむつかしいものがあります。
 参考までに、スポーツドリンクは健康的に良いものと思われ、習慣的に飲ませている方がおられますが、実は糖分が非常に多く、相当ムシ歯になりやすいと言えます。
 ある製品では500mlで33.5gも砂糖を含んでいて、これは3gのスティックシュガー11本分にも相当します。
 それをスポーツドリンクは、わずか数分、数十秒で体内に流し込んでいます。 過剰な糖分摂取はムシ歯が出来やすいのは言うまでもありませんが、体にも様々な 悪影響を及ぼすことが報告されていますので、極力控えられることを勧めます。
 ご飯、おやつ、歯磨きなど、きちっとけじめを付けて行う生活習慣を身につけさせることが、健康的な成長には不可欠で、結果ムシ歯もできにくくなります。
 大事なお子さんのためを思えばこそ、時には厳しさを持って臨んでいただきたいと思います。