入れ歯安定剤って、効果あるの?

令和2年3月30日(月) 掲載

取り外しができる入れ歯の安定剤は、入れ歯と顎(あご)のクッションの役割があり、それによって合わなくなった入れ歯を安定させることを目的として販売されています。
 入れ歯の安定剤には、ペーストタイプやクリームタイプのもの、パウダー状の粉末タイプのもの、シートタイプのものなど様々なタイプがあります。  粉末タイプのものは、薄く使用することができ、シートタイプのものは携帯して使うのに便利といった特徴があります。
 入れ歯の種類によっても、顎(あご)と接する部分が金属のタイプやプラスチックのタイプに適したものもあります。
 持続時間は商品により異なりますが、効果が1日以内のものから、2~3日持続するものもあります。
 商品によっては、だ液の水分を含んで粘着性を発揮する商品も多く発売されていますので、だ液の分泌量が少なくなっているような方は、水分補給をまめにしたり、人工だ液を用いると効果が上がります。
 入れ歯の安定材を用いても、安定した入れ歯の効果が期待出来ない場合、例えば、入れ歯の内面と顎(あご)の適合が悪くガタガタしていたて、ゆるくてすぐ外れてしまう場合や、入れ歯の歯がすり減ってしまい、上下の歯が上手く噛み合わない場合、入れ歯が歯グキや顎(あご)の粘膜に強く当たって、深い傷が出来て痛みがひどい場合、入れ歯が欠けていたり、ヒビが入り割れている場合、入れ歯が大きすぎて適合していない場合などは、入れ歯の安定材の使用を避けて歯科医院で相談して下さい。
 このような状態で無理に放置し、安定剤を使用していると顎(あご)の骨はどんどん無くなってしまう恐れがあり、さらに入れ歯の状態が悪化して、その結果顎(あご)の関節にまで狂いが生じて顎関節症(がくかんせつしょう)になることもあります。
 状況に応じて、新しく入れ歯を作り直すか、使っている入れ歯を修理したり、調整することを考えて下さい。
 入れ歯の安定剤は、あくまで入れ歯を快適に使用するために補助的なものです。
 入れ歯の安定剤を使用される場合は、顎(あご)の骨に負担をかけず、安全に快適に使うためにも、使用する前にあらかじめ、歯科医院で相談されることをお勧めします。
 入れ歯も長期に使用されていると、バネがゆるくなったり、入れ歯と顎(あご)の間にすき間ができたり、噛み合わせが変化したりしますので、定期的に入れ歯や顎(あご)の状態などを健診することをお勧めします。