医療廃棄物はどのように処理されますか?

令和2年8月24日(月) 掲載

一般の家庭から出されるゴミは、生ゴミ、木くず類、資源にならない紙くず類、皮革製品は「もえるゴミ」として、包装ビニール、食品容器、洗剤容器は「プラスチックゴミ」として分類され、別々に回収・処理されます。
 これと同じ様に歯科医院のゴミも分別され、回収・処理されています。
 一般家庭ゴミと違う所は、感染性のある廃棄物が含まれるため、専門の業者に委託して運搬・処理され、その過程を我々歯科医師が確認しているという点です。
 医療廃棄物は「医療関係機関等で医療行為等に伴って排出される廃棄物」の通称で、法令上の用語ではありません。  
 「医療廃棄物」は、下の図1の様に分類されます。


一般的に言われる「感染性廃棄物」には、医療関係機関から排出されたゴミの中で、医療行為等により廃棄物となったものの内、「人が感染し、若しくは感染するおそれのある病原体が含まれていたり、付着しているおそれのあるゴミ」のことです。 
上の図1の中では、「産業廃棄物」の中に含まれます。

下の図2は、医療機関から出された「医療廃棄物」が、どの様に処理されるかを表しています。

歯科医院から排出された「医療廃棄物」は、運搬業社によって中間処理業社で処理(分別⇒焼却・溶融)されます。
 これは、ごみを高温酸化して衛生的に処理するとともに、容積を減じ、焼却残渣として排出するためです。
 その後、再度運搬業社により最終処分業社で処理(埋め立て)されます。  
 医療関係機関等は、法により「医療廃棄物」の処理を業社などに委託する場合、定められた様式による産業廃棄物管理票(以下「マニフェスト」)を記入して交付することが義務付けられています。
 「医療廃棄物」が最終処分まで適正に処理されたことを、処理業者から返送されるマニフェストにより確認する様になっています。
 愛知県では、中間処理施設までの運搬業社の確認は各歯科医院が行い、中間処理業社の視察・確認は、歯科医院より委託を受けた愛知県歯科医師会が行う様になっています。
 マニフェスト制度は、廃棄物の不法投棄を未然に防ぐのが目的ですが、廃棄物を排出する業者が適正処理完了を確認するためのものであると同時に、行政などが産業廃棄物の量や種類、処理ルートなどを把握するという意味合いもあります。
ゴミの問題は、いつの時代も万国共通の社会問題です。
私達のみならず、将来の子供達のために安全に処理されることが大切です。