「こども発達センターの歯科」と「地域の一般の歯科医院」では診療が違うの?

令和3年3月29日(月) 掲載

豊橋市の「こども発達センター」内の歯科では、さまざまな障がいを持ったおおむね18歳以下の、通常の歯科治療が困難な方々を対象に、さまざまな障がいを考慮した、きめ細かい歯科医療に対応をしています。
 具体的には発達障害、知的障害、自閉症、脳性麻痺、先天的心疾患、肢体不自由などの障がいを持った方々が通院されています。
 専門的な知識や技術を習得した歯科医師・歯科衛生士などが、「こども発達センター」に初めて来院されてからの経過を注意深く観察しながら、治療に従事しています。
 一般の多くの歯科医院では、さまざまな障がいに合わせた専門的な治療環境や障がいの度合いによる十分な治療時間が確保することが困難なことが多く、ご本人とご家族の方々に十分に満足していただけの歯科医療を提供できる環境が整っている歯科医院は多くありません。
 よって、歯科医師とご本人、ご家族の3者で相談の上、専門的に障がいを持った方々が安心して通院することができる歯科医療施設をご紹介しています。
 その障がい者の専門的歯科治療とは具体的にどんな治療なのでしょうか?
 ムシ歯のない方であっても、お口の内外の皮膚や粘膜が感覚刺激に対し過敏な方は、十分な歯磨き(プラークコントロール)ができず、ムシ歯になりやすいため、脱感作法という方法を保護者の方に覚えていただき、乳幼児期からきちんとした口腔ケアが定着するように専門的にお口の中の衛生指導を行います。
 口を閉じる、咀嚼(噛むこと)して飲み込むといったお口の機能が未発達の方に対しては、適切な機能訓練を実践しています。
 強いこだわりのある自閉症の方には、出来るだけ同じ治療場所、同じ担当者となるように心がけ、脳性麻痺や心疾患など、歯科治療が身体に負担となるような方々には、モニタリング(血圧や呼吸など全身状態をチェック)をしながら治療を進めます。
 また、歯科治療への受け入れが難しい方で、ムシ歯があっても痛みなどの症状が無い場合には、患者さんに合わせた行動変容法(患者さんの受け入れ具合に従い、トレーニングをしながら徐々に負荷を増やす方法)や絵カードなどを用いた視覚支援法を併用して、受容訓練を行っていきます。
 逆に、痛みを伴うムシ歯があって、治療を受け入れず体動が激しい場合や顕著な不随意運動がある場合には、治療中に危険を伴うため、止むを得ず開口状態を保つ開口器や抑制具による物理的抑制下での治療を選択することもあります。  
 このように障がいをお持ちの方々には、専門的歯科治療を必要とすることが多いので、お近くの歯科医院で歯科治療が困難な場合は、ぜひ一度豊橋市の「こども発達センター」内の歯科を受診されることをお勧めします。