~シーラント処置~
令和5年7月13日(木) 掲載
今回は歯科衛生士が主に行う「シーラント処置」についてお話しいたします。歯科衛生士には4大業務といわれる4つの特別業務があります。簡単に説明しますと
1.『口腔疾患の予防処置』歯科衛生士が術者として、患者さんの歯垢や歯石を取り除いたり、フッ化物を塗布して、歯周病やむし歯を予防します。
2.『歯科診療補助』歯科医師の医療行為の一部を歯科衛生士が行うことです。具体的には、お口の型を採る、充填物を研磨する、矯正装置の撤去など、歯科医師の治療方針、内容を把握し、診療の補助を行います。
3.『歯科診療介助』チェアーサイドアシスタントとして、患者さんの誘導、セメントや印象材の練和、器具材料の準備や滅菌消毒などです。
4.『歯科保健指導』これは患者さん自らが健康的なライフスタイルを営めるように援助することで、歯科医院では歯磨き指導や食生活指導などです。
シーラント処置は『口腔疾患の予防処置』で、奥歯の溝にできるむし歯を予防する処置です。奥歯には細く深い溝があります。
この溝は食べかすなどの汚れが付きやすく、また歯ブラシの毛先が溝の奥まで届きにくいため虫歯になりやすい場所です。
特に6歳臼歯といわれる第一大臼歯はこの溝が深くて形が複雑です。このむし歯になりやすい溝を埋めてしまい、むし歯になりにくくするのがシーラント処置です。
溝に流し込む薬(シーラント材)は、歯科用の合成樹脂材が使われます。奥歯だけではなくて、前歯の裏側にある窪みにシーラント処置を行うこともあります。
処置内容は、溝の中を歯科医院専用のブラシなどできれいに清掃した後に、シーラント剤を溝の中に流し込むだけですから、短時間で行える簡単な処置です。
歯を削る必要はありません。ただしシーラント材は永久に保持されるとは限りません。歯科医院での定期的な確認を推奨いたします。