オーラルフレイル予防について

令和6年1月22日(月) 掲載

フレイルとは「虚弱」の意味です。高齢になって心身の活力(筋力、認知機能、社会とのつながりなど)が低下した状態をいいます。筋力などの身体機能の低下より先に、社会参加など他者との交流が減ったりすることもあります。オーラルフレイルとは、口の機能が衰えることです。全身のフレイルはお口の変化から始まると言われています。
 全身のフレイル予防には3つの柱があります。
① 食事から摂取される栄養は、口腔機能維持に重要です。たんぱく質などの栄養を十分とってバランスの良い食事をとることと、歯科口腔の定期的な管理が必要であると考えられています。
② 運動と社会活動を通して身体活動を行うことです。可能であればたっぷり歩く、ちょっと頑張って筋トレを行う等が推奨されています。
③ 就労、余暇活動、ボランティア等による社会参加です。お友達と一緒にご飯をたべる。前向きに社会参加を行うことが言われています。
これら、3つの柱を底上げし、健康な日々を送ることがフレイル予防に役立ちます。
 オーラルフレイルは、口に関する“ささいな衰え”が軽視されないように、口の機能低下、食べる機能の障害、さらには、心身の機能低下までつながる“負の連鎖”に警鐘を鳴らした概念です。 症状によって口腔機能低下症と呼ばれる事があります。噛めないことから、やわらいものを多く食べることで、噛む機能が低下して更に噛めなくなるという連鎖が続くとお口の機能低下から低栄養状態となり心身の機能低下へつながります。 オーラルフレイル対策としては、歯科医院での口腔ケア、虫歯の治療、入れ歯の作製、口唇や舌の筋力訓練などがあります。 治療によって滑舌、かむ力、飲み込む力が改善します。 これまで、「齢のせい」とあきらめ、固いものを避けたり、食の多様性を狭めたりすることは老化として解釈されていましたが、 オーラルフレイルをそのままにしておくと、全身的なフレイル、要介護度、総死亡リスクが高まることから予防や改善に努めることが大切とされています。 お口に関する具体的な症状には、半年前と比べて、堅い物が食べにくくなった。 お茶や汁物でむせる。口の乾きやすくなり口臭が気になる。さきイカ、たくあんくらいの硬さの食べ物を噛むことが出来なくなった。 歯を磨く回数が減った。歯医者への定期健診の回数が減った。以前と比べて、外出が少なくなった。などがあり、ささいな変化に注意することが大切です。 もし、オーラルフレイルについてご心配なことがありましたらかかりつけ歯科医にご相談ください。