歯のQ&A

平成25年6月1日(土) 東日新聞掲載

現在、7カ月に なる子どもが、まだ授乳中なのでムシ歯の治療に行かずに我慢しています。治療するとレントゲンをとったり、薬を使ったりするので授乳中の子供に影響が出るかもしれないと心配です。子育て仲間は「大丈夫」といいますが、踏み切れません。授乳中でも、歯の治療は大丈夫でしょうか?
(30代女性、主婦=豊川市)

[回答者]
豊橋市歯科医師会理事  鈴木  充
 一般的な歯科治療や、それに伴うレントゲン撮影、局所麻酔などは、母乳への影響はないといわれています。
 一番心配されているのは、処方されたお薬の母乳への影響なのではないでしょうか。
 お母さんがお薬を服用すると、ほとんどのお薬は母乳中に移行するといわれています。
 しかし「移行するけれども、その量は非常に少ない」ということが知られています。
 歯科で処方されるお薬は、主に抗生剤、解熱消炎鎮痛剤です。 
 歯科医はできるだけ安全なお薬(母乳中に移行しない薬、移行量の少ない薬)を選んで処方しますので、授乳中であっても心配はないといえます。 かかりつけ歯科医に授乳中であることを伝え、安心して受診されることをお勧めします。
 お母さんがムシ歯 を放置し、ご自分のお口で離乳食を冷まして赤ちゃんに与えていると、お母さんのお口の中の細菌が赤ちゃんに移る「垂直感染」(親子感染)を起こします。 
 授乳中だからこそ、お母さんがムシ歯や歯周病を治療することで、お口の中を清潔に保つことが、赤ちゃんにとって大切なことだと思います。  

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