歯のQ&A

平成26年5月30日(金) 東日新聞掲載

私は、夜寝ている間、よく歯ぎしりをしているようで、よく家族に指摘されます。また、事務仕事をしているため、机やパソコンに向かい仕事をしている時に、ふと気づくと強く噛みしめていることがあります。このような習慣により、歯に影響あるのでしょうか。
(40代、男性、豊橋市)

[回答者]
豊橋市歯科医師会  理事 清水 泰
 「広義の歯ぎしり」は「ブラキシズム」ともいわれ、次の3つに分類されます。①「グラインディング」とは、口腔内に食物のない状態で下顎を側方や前後に動かし、上下の歯を強くこすり合わせる習癖で、一般的に「歯ぎしり」と呼ばれます。主に睡眠中に生じ、キリキリと不快な摩擦音が発生することと歯の摩耗(咬耗)が特徴です。②「クレンチング」とは、下顎をほとんど動かさずに上下の歯を強く咬みしめる習癖で、「くいしばり」とも呼ばれます。昼夜を問わず発生し、音や咬耗が生じないため診断が困難となります。③「タッピング」とは、上下の歯を連続的にカチカチと咬み合わせる習癖のことです。
 強い咬合力が歯に加わるため、歯周組織・咀嚼筋・顎関節に負担がかかり、歯質に対しては異常咬耗や歯の破折などを引き起こします。咀嚼筋の異常緊張による疲労性の痛み、顔面・頭・頸・肩の筋肉の緊張による頭痛や肩こりなどを合併する場合があり、さらに顎関節の痛みや機能障害が生ずることもあります。
  治療として、咬合の改善、ナイトガードという装置の使用、精神的ストレスをできる限り取り除くこと、自己暗示療法などを行います。

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URL http://www.tda8020.org/