歯のQ&A
平成26年8月6日(水) 東日新聞掲載
よく、フッ素は歯にいいとか、フッ素を塗りましょうとか言いますが、具体的にフッ素とは歯にどのような効果があるのでしょうか。教えて下さい。
(20代女性、主婦=豊橋市)
[回答者]
豊橋市歯科医師会 村木一規 先生
フッ素にはムシ歯を予防する効果があります。
一つ目の効果、歯の質を強くして、ムシ歯菌がつくる酸に負けない様にする効果です。
二つ目は、再石灰化の促進です。食事をしたあとは、歯にプラーク(歯垢)が付着します。プラークの中はムシ歯菌が棲みやすい環境になっています。そしてムシ歯菌は糖分を栄養とし、酸を排出します。その酸が、歯の表面のエナメル質表層を溶かす事を脱灰と言います。
一方、唾液中のミネラル(カルシウム、リン)が酸を中和し、再び歯に沈着することを再石灰化と呼びます。
このようにエナメル質表層では脱灰と再石灰化が頻繁に起こっているのですが、フッ素にはこの再石灰化を促進させて、修復能力を高める効果があります。
三つ目は、細菌の酸産生抑制効果です。
これは、ムシ歯菌の酸産生酵素の働きを抑制することによって、酸がつくられるのを予防し、ムシ歯菌の能力を低下させます。
以上、歯質の強化、修復サイクルの促進、ムシ歯菌の能力を低下させると言う三つの効果によってムシ歯予防に役立っています。
また、生えたての歯は、酸に非常に弱いので、乳歯のお子さんや永久歯が生えたてのお子さんは、定期的に歯科医院に行ってフッ素を塗ってもらう事は、ムシ歯予防に大変効果的です。
定期的に歯科医院を受診してムシ歯のない口の中にしましょう。
過去に掲載された「歯のQ&A」や歯の関する情報は、豊橋市歯科医師会公式ホームページ「ミラー」でご覧い
ただけます。
URL http://www.tda8020.org/