歯のQ&A

平成27年6月2日(火) 東日新聞掲載

先日、急に顎の関節あたりが、ガクッとなり口が開かなくなりました。歯科医院で診てもらったら、顎関節症ですねと言われました。顎関節症って何ですか?
(50代男性、会社員=蒲郡市)

[回答者]
豊橋市歯科医師会 松井 和博先生
 人の顎は口を開けて食べたり、会話をしたりするときに、耳の前にある顎の関節を支点にして動きます。それがスムーズに動くことが出来なくて、口の開け閉めの時に顎関節で音がしたり、顎を動かす筋肉に痛みが出たり、または口が十分に開けられない、という症状が出ることがあります。それらの症状を総称して「顎関節症(がくかんせつしょう)」と言われています。
 顎関節には骨と骨の間にクッションとしての軟骨が存在します。顎関節症は顎の関節の骨とクッションとしての軟骨の協調運動がとれない時にクッションの位置がずれたりして、ガクガクして音が出たりします。症状が音だけでしたらそれは首を回したり、肩を動かしたりしたときに音がするのと同じような状況ですので、治療の必要性がないことが多いです。
 一方クッションの位置が大きくズレてきたり、または擦り切れたりすることがあります。そうすると次第に口が十分に開けられない、という症状になったりします。またクッションが引っかかったりして痛みが出て口が大きく開けられない、という症状になることもあります。そうすると日常生活に支障をきたすことが多くなりますので、何らかの治療が必要になります。
 顎関節症の治療には幾つかありますが、それは症状や状態によって治療の選択肢が変わります。もしお困りだった場合にはかかりつけの歯科医院で相談をするか、総合病院の口腔外科などで相談を受けられるとよいかと思います。

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