歯のQ&A

平成28年3月18日(金) 東日新聞掲載

最近になって、上の奥歯に銀歯があることに気がつきました。自分の記憶では、小学校高学年以降、歯医者に行った覚えはありません。このままにしておいて、特に問題はないのでしょうか。
(20代男性、会社員=豊橋市)

[回答者]
豊橋市歯科医師会 加藤 安男
 拝見しておりませんので断言はできませんが、乳歯(こどもの歯)にかぶせた銀歯が、乳歯そのものが抜けずに残っている可能性が高いと考えられます。
 基本的に乳歯は、永久歯(おとなの歯)と生え変わって、いずれすべて抜けてしまいますが、時折、永久歯の数が先天的に不足しているケースがあります。これは、母親の妊娠中に歯が作られなかったためで、防ごうと思っても防ぐことができるものではありません。歯科医院での対処の方法ですが、まずはレントゲンを撮影して、本当にその乳歯に相当する永久歯がないかを確認して、なければ抜けずに残っている乳歯を永久歯扱いで治療することとなります。乳歯の銀歯は、数年で抜けることを前提として、既製の銀歯を調整して製作していることが多いです。また型をとって作った場合でも、健康保険上、永久歯の銀歯用の金属が、その時点では保険適応にならないため、長期間使うには不安がある場合もあります。
 しかし、相当する永久歯が確実にない場合は、たとえ乳歯に対してでも、永久歯用の銀歯の金属が保険適応になるので、何らかの事情で作り直す機会があれば、それに交換するのも一つの方法です。ただ、どうしても乳歯は永久歯に比べて根が短いため、根が噛む力に耐えられずに折れたり、歯周病に罹患してしまった場合にグラグラになって、早期に抜歯しなければならなくなるケースも多いため、他の歯以上に大切にしていただく必要があります。
 なお、相談者の方は、小学校高学年以降、歯医者に行った覚えはないとのことですが、気付いていない虫歯等がある可能性もあるため、これを機に歯科医院を受診されることをお勧めします。

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