歯のQ&A

平成28年4月22日(金) 東日新聞掲載

上の歯が総入れ歯なのですが、口を大きく開けると入れ歯が落ちてきます。  入れ歯安定剤を使うと気持ちが悪くなります。入れ歯を作り直すしかないでしょうか。なにかいい方法がありませんか?
(70代男性、無職=豊橋市)

[回答者]
豊橋市歯科医師会 理事 鈴木 研二
 一般的に総入れ歯は安定剤がなくても落ちるものではありません。
 その仕組みは、平らなガラス板2枚を水につけて合わせると吸いついてとれなくなる原理に似ています。
 つまり、あご(顎堤)に入れ歯がピッタリと合い、そこに唾液が介在することによって真空状態となり、入れ歯は吸着して、口を大きくあけても外れなくなります。
 ご質問のように、口を大きく開けると入れ歯が落ちるようになってしまった原因には、あご(顎堤)がやせてしまったり、入れ歯とあご(顎堤)の間にすき間ができてしまったり、入れ歯の周囲にある粘膜や筋肉を入れ歯の形が調和していないことが考えられます。
 入れ歯が小さいほうがお口の中の違和感は少なくなりますが、入れ歯の面積が小さすぎると、入れ歯が外れやすくなります。また、入れ歯が大きすぎても周囲の粘膜や筋肉の動きによって、入れ歯の吸着が弱くなり、外れたり、ずれたりしやすくなってしまいます。さらに、上の入れ歯と噛み合う下の歯の状態によっても外れやすくなる場合もあります。
 まずはかかりつけの歯科医院でその原因を調べて、新しく入れ歯を作った方がいいのか、または修理や調整で治るのかをご相談されることをお勧めします。


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