歯のQ&A

平成28年6月3日(金) 東日新聞掲載

夜中に目が覚めると、歯の表面がぬるぬるした感じがします。若いころは、感じたことがなかったのですが、歳のせいでしょうか?
(60代男性、会社員=豊橋市)

[回答者]
豊橋市歯科医師会 監事  神藤 寿昭
 お口の中は夜の間に細菌が増加しています。夜間は唾液の分泌も減少し、口の中のプラークが増加し数百種類の細菌がくっ付き合い集団となってヌルヌルした物質を作っているのです。それがプラーク(歯垢)ですが、決して食べかすではないのです。排水口など、いつも湿っている場所はすぐにヌルヌルとしてくると思いますが、それと同じようなことが口の中でも起こってくるのです。口の中は温かく栄養もあり細菌が棲みやすく増殖しやすい環境なのです。
 年齢とともに唾液分泌量が減り、病気が原因で口の中が乾燥したり、薬の副作用で唾液の減少が起きプラークが増える結果となることもあります。口の中の細菌は歯の表面だけでなく歯と歯茎の隙間の歯周ポケットにも沢山存在しています。歯周病の結果として夜中に膿がでてきてヌルヌルした感じがすることもあるでしょう。
 プラークの中の細菌は内毒素を作って血液の中に入り込み病原性を発揮してしまいます。そして、動脈硬化、糖尿病、肺炎、早産などの引き金にもなってしまいます。口の中だけの問題ととらえず体全体の問題として一度かかりつけの歯科医院に相談してみてください。


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