歯のQ&A

平成29年3月17日(金) 東日新聞掲載

冷たいものを飲んだりすると、歯が痛むことがあります。歯医者さんで色々見てもらって、知覚過敏と言われました。治療していただくと確かに良くはなるのですが、しばらくすると元のように痛みます。知覚過敏になりにくくなる、家でもできる事はないでしょうか。
(60代女性、主婦=豊橋市)

[回答者]
豊橋市歯科医師会  三宅 洋彰
 歯と歯茎の境目か知覚過敏とは、歯周病などで歯茎が下がり、その部分の歯の根っこの一部(象牙質)が露出すると、そこの部分はとても敏感であるため、冷たいものがしみたり、歯ブラシが当たるとズキッと痛んだりすることをいいます。知覚過敏の原因は歯周病だけではなく、硬い歯ブラシで強く磨きすぎたりしても、その力で歯茎がすり減って根っこが露出してしまったり、時には歯の根元の部分が削れてくびれたように凹んでしまうことによって、しみてくることもあります。また、上下の歯のかみ合わせのバランスが悪い方や、歯をギュッと食いしばる習慣がある方、寝ている時にギリギリと歯ぎしりをする方は過剰な力が歯にかかり、それによっても歯の根元に応力が集中して窪んだように歯が削れていき、しみてくることがあります。  
 知覚過敏に対する治療としては、まず歯周病が見られればその治療を行い、症状が軽症の場合には、知覚過敏防止歯磨き粉を使っていただいたり、露出した根面をコーティングする知覚過敏用の薬を塗ったりしますが、一時的に緩和することはあるものの、再び症状が現れてくることも少なくありません。その場合には、歯の削れて窪んでいる部分にセメントや、レジンという樹脂製の詰め物を詰めて歯の形を回復します。また、かみ合わせの不均衡がある方や、歯ぎしりが強い方には寝る時にマウスピースを装着していただき、歯を保護する必要があります。
 最後に、皆様に知覚過敏を防ぐために心がけていただきたいのは、歯ブラシはやわらかいものを選び、力を入れ過ぎず、やさしく丁寧に磨いていただき、普段は歯を強く噛みしめすぎないように意識していただくことが大切ではないでしょうか。


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