歯のQ&A

平成30年11月11日(日) 東日新聞掲載

私は、夜寝ている時、歯ぎしりをしているようで、家族に指摘されます。普段も仕事中パソコンなど机に向かっていると強くかみしめている気がします。歯に悪い影響がないか心配です。どうしたら良いでしょうか?
(40代男性・会社員)

[回答者]
豊橋市歯科医師会・山口真史
 ご質問ありがとうございます。
 まず歯ぎしりの原因に関してですが、諸説ありますが、残念ながら現在のところ正確にはわかっていません。しかし、歯ぎしりには200㌔以上の力(通常のかむ力は約50㌔)が歯にかかるといわれており、その弊害は無視できないものとなります。
 歯ぎしりによる1番の弊害は、過度な力が歯にかかることによりご自身の歯がすり減ってしまう事です。さらにそれがお口の中全体に起こることによって、長期的にはかみ合わせが変わってくる可能性もあります。また過去の歯科治療による詰め物が外れたり、壊れたりする可能性、もしくはすでにそのような事が起きている可能性もあります。
 さらに歯が揺らされることにより、歯がしみるといった症状が起きたり、歯に負担がかかることによって歯周病の悪化、さらにまだ明確な関連性は証明されていないものの、顎関節症の既往がある方が歯ぎしりによって症状が悪化するという説もあるなど、お口の中に色々な弊害が起こる可能性があります。
 それらのことも踏まえ、一度お近くの歯科医院を受診されて、歯科医師と相談されることをお勧めします。
 現在の医学では、歯ぎしりそのものを止めることはできませんが、マウスピース(ナイトガードと言います)を作製し、就寝時に装着することによって、歯やかぶせものを守ることは可能であると思われます。
 お口の中の状態は日々変化しています。いつまでも健康な状態を保つためにも定期健診を受けましょう。