歯のQ&A

令和元年5月12日(日) 東日新聞掲載

キシリトールガムや虫歯予防に良いと言われるガムがいろいろとありますが、どんな効果がありますか?いつ噛(か)むのが一番効果的ですか?
(30代男性・公務員)

[回答者]
豊橋市歯科医師会・鈴木規夫
 キシリトールとは、キシロースから合成される糖アルコールで、天然の代用甘味料の一種です。一般的な甘味料のスクロースと同程度の甘みで、消費カロリーが4割低いという特徴があります。虫歯の原因菌の一部の代謝を阻害し、虫歯予防の効果はありますが、菌をなくしたり虫歯が治るということはないとされていますが、他の糖アルコールの大部分と同様、弱い下剤の働きもします。また、ガムに含まれているキシリトールの比率は、90%以上でなければ、虫歯予防本来の効果はあまり期待できないとされています。
(歯科専売のキシリトールガム 100%~90%、スーパーなど市販のもの 70%~30%)  
 キシリトールガムを毎食後に噛むことで唾液の量が増え、虫歯のもとになる歯垢(しこう)を減らし、習慣的にキシリトールを体内に入れていくことで、虫歯菌の活力が失われ、菌の数が減っていき、虫歯予防につながります。5~10分ぐらい噛み続けるといいでしょう。  
 一般的な効果は、2週間ほどで歯垢が減り始め、3カ月ほどたってくると虫歯になりにくくなると言われています。  ただ、あくまでも食品なので、回数やタイミングはあまり気にせず、何か食べたら噛むように無理なく続けていける方法で習慣にするとよいかと思われます。