歯のQ&A

令和2年8月31日(月) 東日新聞掲載

先日歯科医院に子供を連れて行ったら、乳歯が1本まだ生え変わっておらずレントゲンを撮りました。 先生から、この歯は神経を取ってある歯だから少し様子を見て、生え変わらなかったら抜きましょう、と言われました。このようなこともあるのですか?
(30代女性 主婦)

[回答者]
豊橋市歯科医師会医療管理部・鈴木規夫
 虫歯になってしまったり、転んで歯をぶつけてしまったことで、神経の治療をしてある乳歯は、通常の未処置歯に比べて、萌え変わりが遅くなる傾向があります。
 通常は、永久歯が下から乳歯を押す事によって、歯根と呼ばれる、歯の根っこが少しずつ溶けて、グラグラしてくるのですが、神経の処置をしてある歯は、根っこがうまく溶けず、そのため、反対側の同じ歯と比べると、萌え変わりが遅くなることがあります。
 乳歯が抜けずにいつまでも残っていると、永久歯がなかなか出て来ない事や、乳歯を避けて永久歯が別の位置から萌えてきてしまう事があります。
 そのような状態で、放っておくと、歯並びが悪くなる場合がありますので、早めにかかりつけの歯科医師に相談し、適切な処置を受けることが必要です。
 小さな噛(か)み合わせの不具合が、成長と共に悪化していく事は、よくみられます。顎と歯並びの正常な発育は、お子さんの健康な成長にも大きく関わります。
 乳歯が片方だけなかなか抜けないのは、子供さんにとっても、嫌なものです。適切な処置をしてもらって、スッキリさせてあげましょう。