歯のQ&A

令和3年3月25日(木) 東日新聞掲載

電動歯ブラシもいろいろありますが、何が違うのですか?
(40代女性 会社員)

[回答者]
豊橋市歯科医師会副会長・鈴木研二
 電動歯ブラシは、自動で動作するため、ブラッシング時の細かい操作の必要が軽減されます。当初は、手指機能障害のある方や高齢者、介護者向けに実用化されましたが、近年では一般の健常者にも多く使用されています。
 電動歯ブラシの利点としては、「短時間で手用歯ブラシと同程度のプラーク(ばい菌)除去効果が得られる」「歯みがき操作が簡単」「疲労が少ない」「個人のブラッシング技術による清掃効果の差が少ない」「歯みがきの動機づけに有効な場合がある」があげられます。欠点としては、「本体が手用歯ブラシに比べ大きくて重い」「高価」「不適切な使用法では、十分なプラーク除去効果が得られない」「不適切な使用法により、歯の磨耗や歯肉の損傷が起きる」があげられます。
 使用法と注意点は、
 1、歯磨き粉は少量にし、飛散に注意する。
 2、電動歯ブラシのブラシを口の中に入れてからスイッチを入れる。
 3、使用中は、歯に軽い圧を加えながらゆっくり移動する。
 4、歯の形や歯並び、歯肉の状態に合わせて圧力や当てる方向を変える。
 5、介護者が行う場合、電動歯ブラシが唇や歯に強く当たると振動が響いて不快感が生じますので注意する。
 種類は、動き方で大きく2つに分類されます。
 1、ブラシ(刷毛)部が往復運動、回転運動、または、複合運動するもの
 2、ブラシ部が振動運動するもの(音波歯ブラシ、超音波歯ブラシ)
 どの電動歯ブラシも一般的にブラシ部の大きさは、手用歯ブラシより小さめで、毛の硬さはやわらか目のものが多く、ブラシ部の形は、手用歯ブラシ型、円型、タフタ型などがあります。ブラッシングの目的で大切なのは、歯に付着したプラークの除去です。手用・電動歯ブラシにかかわらず適切なブラッシングと、デンタルフロス・歯間ブラシなどを用いた歯間清掃法を組み合わせることが有効です。
 現在は、様々な電動歯ブラシが販売されていますので、どのようなものを使ったら良いかわからない、使用しているが正しく使えているか分からないなど、お困りの事があるかと思います。電動歯ブラシに関するいろいろな疑問や、お困りの事がありましたら、かかりつけ歯科医にご相談いただく事をお勧めいたします