歯のQ&A
令和4年10月4日(火) 東日新聞掲載
将来、歯科衛生士になりたいと思っています。でも手先が器用ではありません。こんな私でも歯科衛生士になれますか?
(10代女性)
[回答者]
豊橋市歯科医師会・鈴木郁元
将来、歯科衛生士になりたいけれど手先が不器用なので、歯科衛生士に向いているどうか心配ということですが、結論から言うとあまり問題はないと思います。私は歯科医師なので、たくさんの歯科衛生士と一緒に仕事をしています。最初、不器用でもきちんと真面目にステップを踏んで努力をしていけば、ほとんどの場合、問題なく仕事ができるようになります。ただし全く努力をしない場合はそれにはあてはまらないです。私の経験上、不器用な人のほうが人より努力して上手になることが多いような気がします。反対に器用な人は努力しないことにより上手にならないケースもあります。
それから歯科衛生士の仕事は技術的なことばかりでなく、患者を指導することも大事な仕事です。歯磨き指導や治療の説明などのコミュニケーション能力も問われます。最近はコロナウイルスによる感染防止対策で、学校や実習先で会話をする機会が極端に減り、学生のコミュニケーション能力が落ちている傾向が見られるので、少し心配しています。手先が器用なことも大事ですが、コミュニケーション能力も問われるのが歯科衛生士という仕事なので、そのことも覚えておいてください。
歯科衛生士は素晴らしい仕事です。体の入り口であるお口を歯科医師と一緒に守っていくとてもやりがいのある職業です。手先が器用でないことであきらめないで、歯科衛生士になることを是非、考えてみて下さい