歯のQ&A

令和5年7月27日(木) 東日新聞掲載

長時間ストレスがかかっていると歯を悪くすると聞きました。どのようなことが起こるのでしょうか?
(50代男性)

[回答者]
豊橋市歯科医師会・河合研一郎
 ストレスが続くと歯に過剰な力がかかり、歯を傷めてしまいます。これには大きく分けて2種類があります。歯ぎしりと、TCH(Tooth Contacting Habit)と呼ばれる「上下の歯を無意識に接触させる癖」です。
 一つ目の歯ぎしりは眠っているとき無意識に行うので、起きているときと違って力の加減が効かず、たいへん強い力が歯にかかります。眠っている間のほとんどの時間、 歯ぎしりが起きたとしても、1時間に5~6回程度で短時間です。しかし歯ぎしりの力は強大で、そのうえ下あごをギリギリとグラインドさせて歯を揺さぶるため、短時間であっても歯を傷めてしまう可能性があります。
 もう一つのTCHは、歯を接触させる癖です。歯は「いつも接触しているものだ」と思っていませんか?歯の接触癖による力は弱いですが、 長時間続くと顎関節症の原因になり、また歯を傷めてしまうこともあります。もし、詰め物や被せ物がよく壊れる、歯が割れる、欠けたりしやすいなどお悩みでしたら、 お口の中に歯ぎしりやTCHの痕跡がないか、かかりつけの歯科医院で診てもらいましょう。